タイトル |
重回帰分析とGISを用いたバングラデシュ水稲の1kmメッシュ推定生産量 |
担当機関 |
(独)国際農林水産業研究センター |
研究期間 |
2011~2015 |
研究担当者 |
山本由紀代
小林慎太郎
古家淳
Md. Shahjahan Kabir
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発行年度 |
2012 |
要約 |
バングラデシュの郡別の水稲生産量を目的変数、傾斜、地形、土性、排水性、土壌透水性、土壌塩分の属性区分面積を説明変数とする重回帰分析を行い、得られた偏回帰係数をGISの地図演算に適用して1kmメッシュあたりの水稲生産量を推定する。
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キーワード |
バングラデシュ、水稲、生産量、重回帰分析、GIS
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背景・ねらい |
環境の変化に対して脆弱な発展途上地域では、気候変動に伴う影響評価と対応策の確立が急がれている。途上国の農業は自然条件に強く依存するため、栽培に適した土地条件と気象条件を有する地域において生産量が多いと考えられるが、将来の気候変動による影響を評価するにはまず、現環境下における生産性を面的かつ定量的に把握する必要がある。そこでバングラデシュを対象に、重回帰分析とGISにおける地図演算を併用することによって、基盤的な地理情報から雨期作米及び乾期作米の1kmメッシュあたりの生産量を算定する手法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 郡を基本単位として整備されたバングラデシュの全国版地理情報データセット“Bangladesh Country Almanac Ver.3.0(CIMMYT-Bangladesh作成)”に収蔵されている、傾斜(3属性区分、以下同様)、地形(5)、土性(5)、排水性(6)、土壌透水性(3)、土壌塩分(4)の地図情報によって表される属性の組み合わせに対して期待できる水稲生産量を推定する手法である(図1)。
- バングラデシュの463郡ごとに集計した上記6要因計26属性の面積を説明変数、各郡の雨季作米及び乾季作米の生産量(2002-2003年統計値)を目的変数とする重回帰式の自由度調整済み決定係数は、雨季作米が0.903、乾季作米が0.823と有意に高い。
- 重回帰分析によって得られる各属性の偏回帰係数を、上記6要因の地図情報の属性値として入力し、1km×1kmのメッシュごとに総和を求める地図演算を行うと、1kmメッシュあたりの推定生産量が算出できる(図2、図3)。
- 1kmメッシュあたりの推定生産量を新旧2種類の県区分で集計した結果とそれぞれの統計値の間にはいずれも高い相関があり、一県あたりの平均誤差率も23~33%の範囲に留まっている(表1)。本検証結果から、異なる空間単位でメッシュを集計しても統計値によく適合しており、本手法による推定が妥当であったことがわかる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本手法によって算出される1kmメッシュあたりの推定生産量は、気候変動による影響評価を行う場合のベースライン(現環境下における初期値)として活用できる。
- 統計情報と地図化されたデータがあれば、質的情報についても分布面積という量的変数として取り扱えるため、モデルの拡張性や汎用性が高い。
- 本手法は属性群の組み合わせに対して期待できる生産量を推定するものであるため、生産量に対する個々の属性の寄与を判定することはできない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://www.jircas.affrc.go.jp/kankoubutsu/seika/seika2012/2012_01.html
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カテゴリ |
傾斜地
水稲
排水性
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