京都府沿岸の遊漁船による釣獲量と経済効果

タイトル 京都府沿岸の遊漁船による釣獲量と経済効果
担当機関 京都府農林水産技術センター海洋センター
研究期間 2009~2010
研究担当者 山崎 淳
発行年度 2011
要約 京都府沿岸における2007-2009年の遊漁船を利用した延遊漁者数は平均7.7万人で、主要魚種(10種)の平均釣獲量は591トン、このうち最も多かったのがマダイの平均175トン(漁業の約1.8倍)であった。遊漁船による経済効果(直接効果)は12.8億円と試算され、遊漁が地域の重要産業であることが明らかとなった。
背景・ねらい 栽培漁業の対象種であるマダイをはじめ多くの沿岸資源は、漁業だけではなく遊漁船による遊漁により利用されている。沿岸資源を漁業と遊漁で持続的に利用するためには、遊漁船による釣獲実態を把握することは重要である。本研究では、標本船日誌(2007~2009年、6~11隻)や2010年6~9月に船宿数カ所で実施したアンケート(253件回収)等をもとに、遊漁船による釣獲量や経済効果(直接効果)を試算する。
成果の内容・特徴
  • 2007-2009年の遊漁船を利用した延遊漁者数は平均7.7万人(6.7-8.8万人)であった。遊漁者の約80%が京阪神から訪れており、約63%が60歳代以上の高齢者であった。
  • 主要10種の年間釣獲量は平均591トン(397-753トン)であった。最も多かったのがマダイの平均175トン(160-205トン)で、これは漁業による水揚量の1.8倍であった。
  • 釣獲量が多かった海域は、経ケ岬沖の白石礁(天然礁)および冠島西方の人工魚礁域であった。マダイについても同様の傾向が認められた。
  • 他の主な魚種の平均釣獲量は、ブリ(主にハマチ銘柄)143トン、マアジ109トン、メダイ63トン、チダイ32トン、イサキ31トンであった。魚種によりかなりの年変動がみられた。
  • 1日1人当りの平均釣獲量は7.7 kg(6.0-9.9 kg)であった。
  • 遊漁船による年間経済効果(直接効果)として、乗船料が8.9億円、宿泊費が0.2億円、飲食費が1.1億円、釣具代が1.3億円で、その他を含めると合計12.8億円と試算され、遊漁船業を兼業とする漁業者が主に従事する釣延縄、刺網漁業の水揚げ金額(4億円前後)に比べるとかなり大きかった。なお、交通費(自家用車燃料及び高速料金;同乗者は交通費0円とした)は4.1億円であった。
成果の活用面・留意点
  • 本研究ではマダイ釣りを行う遊漁船を対象としており、他のルアー釣りやヒラメを含む根魚釣りを専門とする遊漁船は含めていないため、全遊漁船による釣獲量は、上記数値よりも大きくなる。
  • 遊漁ではプレジャーボート(PB)による釣りも多数存在しており、今後はPBの釣獲実態も明らかにする必要があると考える。
図表1 235399-1.gif
図表2 235399-2.gif
図表3 235399-3.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3242&YEAR=2011
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