短期蓄養(無給餌)によるゴマサバ肉質の変化について

タイトル 短期蓄養(無給餌)によるゴマサバ肉質の変化について
担当機関 鹿児島県水産技術開発センター
研究期間 2008~2010
研究担当者 保 聖子
鶴田和弘
折田和三
発行年度 2011
要約 漁獲後短期間の無給餌蓄養を行うことは、漁獲時に受けたストレスの緩和に有効であるとともに、蓄養期間中に筋肉の破断強度が高まることが明らかになった。また、試食アンケートの結果からも蓄養することで、刺身としての評価が高まることも確認された。
背景・ねらい まき網等で多獲されるサバは漁獲ストレス等により、身割れや著しい鮮度低下が起こる。そのため、安価で、ほとんどが食品加工原料や餌などの非食品加工原料としての利用に留まっている。本県では、近年、魚本来の品質を維持し魚価が向上するように、短期間蓄養(無給餌)し、鮮魚商品として流通させる取り組みが行われるようになってきている。本研究では、短期蓄養(無給餌)による魚体内肉質成分の変化やストレス回復による品質向上など、短期蓄養の有効性を科学的に検証し、蓄養技術の向上ならびに漁獲物の付加価値向上の取り組みを支援することを目的とする。
成果の内容・特徴 まき網で漁獲されたサバを海上生け簀で3週間無給餌で蓄養を行い、蓄養期間中の肉質の変化やその品質を調べた。その結果下記の結果が得られた。
  1. 肉質のうち、筋肉中の脂肪含有量は、蓄養開始直後にやや上昇した。その後は、蓄養水温の影響を受け水温下降期では、緩やかに減少したが、蓄養開始日よりも低下することはなかった。一方、水温上昇期は、水温下降期に比べると減少の程度は大きかったが、同時期に漁獲されるサバの平均的な脂質量の範囲内であり、商品価値を失うほどではないことが確認された。
  2. 短期蓄養を始めると魚肉の破断強度が高まり、開始から2週間目に最も高い値となったことから、蓄養を行うことで、刺身としての評価が高まることが確認された。
  3. 漁獲ストレスを与えるモデル実験の結果から、漁獲ストレス付与後、短期蓄養を行うことで、高まった筋肉中の乳酸や血漿コルチゾル濃度が減少していくことが確認された。
  4. 試食アンケートの結果から、蓄養することで、刺身としての評価が高まることが確認された。
成果の活用面・留意点 県旋網漁業協同組合組合員に対して研修会を開催し、蓄養による付加価値向上の取り組みのを通して、漁獲物の鮮度及び品質管理ならびに流通対策に関する啓発活動を行った。
「サバ類の刺身商材化のための蓄養と流通マニュアル」を作成し、県内関係漁協及び市町村に配布した。
図表1 235450-1.gif
図表2 235450-2.gif
図表3 235450-3.gif
図表4 235450-4.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3282&YEAR=2011
カテゴリ 加工

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