陸奥湾におけるアカガイ増養殖技術の開発

タイトル 陸奥湾におけるアカガイ増養殖技術の開発
担当機関 地方独立行政法人青森県産業技術センター
研究期間 2009~2011
研究担当者 吉田 達
発行年度 2012
要約 稚貝を効率的に採取するために、採苗器の投入時期、場所、水深、付着基質を明らかにした。地まき増殖よりも、養殖で効率的に生産できることが分かった。養殖については、年齢別・篭の種類別の適正収容密度、養殖施設の適切な管理方法を明らかにした。肉色の定量化技術を開発し、市場価値の高い天然貝の肉色の基準値を定めるとともに、海底泥中の蓄養により養殖貝の肉色が改善できることを明らかにした。
背景・ねらい 養殖には天然種苗を用いているため、効率的かつ安定的な天然採苗技術が求められている。稚貝採取から出荷まで4年かかるため、効率的な養殖技術を開発するとともに、地まき増殖による生産を合わせて検討する。養殖アカガイは天然アカガイよりも身の赤みが薄いことから、肉色を改善する技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 効率的な天然採苗技術の開発
    • 親貝は東湾の天然貝と養殖貝(図1)。殻長5~8cmの3~5年貝で成熟。水温22~23℃で産卵、時期は8月中~下旬(図2)。
    • 浮遊幼生は西湾より東湾で多く、特に東湾北東部で多い。出現ピークは8月下旬~9月上旬(図3)。
    • 採苗器の投入適期は8月下旬。水深が深いほど付着数は多い(図4)。付着基質としてはネトロンネットが最適。
  2. 効率的な増養殖技術の開発
    • 夏季は水温の低い中層以深に養殖施設を沈める。
    • 波浪の影響により篭内でアカガイがぶつかり合うため、養殖施設の設置水深や浮力調整に注意。
    • 養殖篭は、2年貝の場合、丸篭よりも安定性の良いパールネットを用いる。
    • 2年貝、3年貝のパールネットには、錘を付けて安定させる。
    • 収容密度の目安を年齢別、篭の種類別に明らかにした(表1)。
    • 地まき放流で肉色の改善効果が認められるものの、生残率や成長量の低さから事業化は難しい(図5)。
  3. 品質改善技術の開発
    • 肉色の定量化技術(色彩計による明度と色度の測定)を開発。
    • 天然アカガイの肉色は、明度(L)50.3~50.9、赤系色度(a)21.3~24.7、黄系色度(b)21.7~24.9(図6)。
    • 海底泥における3ケ月の蓄養で肉色の改善効果が見られたが、夏~秋にかけては、産卵や高水温の影響で、生残率や歩留りが低下することから、秋~春にかけて蓄養するのが効果的(図7)。
成果の活用面・留意点 調査結果は、現地の発表会で養殖業者に報告済み。今後、『アカガイ増養殖マニュアル』を作成予定。
図表1 235470-1.gif
図表2 235470-2.gif
図表3 235470-3.gif
図表4 235470-4.gif
図表5 235470-5.gif
図表6 235470-6.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4214&YEAR=2012
カテゴリ 出荷調整

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