イワシ丸干し製造工程におけるヒスタミン生成リスク管理基礎研究

タイトル イワシ丸干し製造工程におけるヒスタミン生成リスク管理基礎研究
担当機関 鹿児島県水産技術開発センター
研究期間 2011~2011
研究担当者 保 聖子
里見正隆
発行年度 2012
要約 イワシ丸干製造工程において、最もヒスタミン濃度が高い工程は乾燥工程であった。また、各加工工程ごとに一定温度条件下でのヒスタミン生成リスクが高まる箇所を調べたところ、塩漬以外の全ての工程でヒスタミン生成リスクが高くなることが明らかとなった。
背景・ねらい 水産加工品中のヒスタミン(以下Hmという)による食中毒を未然に防止するために、水産加工品の中でも特にヒスチジン含有量が高くHmの生成が懸念されるイワシ丸干品について、製造段階におけるリスク管理措置等の検討に資するよう加工工程中のHm生成機構に関する科学的な知見を収集することを目的とする。また、Hm濃度が上昇するリスクの高い加工工程・条件等の重点管理箇所を特定し、リスク低減手法を検討したので報告する。
成果の内容・特徴
1.イワシ丸干製造工程における重点リスク管理箇所の特定
イワシ丸干製造工程において、最もHm濃度が高い箇所は乾燥工程終了後であった(図2)。乾燥工程でHm濃度が高くなる原因は、乾燥濃縮の影響ではなく、20℃での長時間の乾燥によるものと示唆された。比較的温度が高い条件下においては、「原料」に加え、塩分によるHm生成菌等の増殖抑制が期待できない「塩抜」工程においても、Hm生成リスクが高まることから、加工工程中は温度を低温で保つよう充分に気を配るべきであることが明らかとなった(図3)。
2.内臓の有無がHm生成に与える影響
製造時に内臓を除去することで、製品の一般生菌数及びHm生成の抑制が可能であった。このことから、丸干製品におけるHm生成には、内臓由来の腸内細菌が大きく関与することが示唆された(図4)。また、内臓を含んだ状態の一般的な丸干品においてHmが生成された場合には、Hmは内臓周辺から背肉側を含む魚体全体に拡散・蓄積されることが明らかとなった。
3.柑橘オイル添加によるHm抑制の検討
塩漬工程時に柑橘系オイルを添加することで、Hm生成が抑制され、Hm生成リスクの少ない丸干製品を製造することが可能であることが示された(図5)。
成果の活用面・留意点 イワシ丸干加工業者に情報提供を行った。また、柑橘系オイルのHm抑制機序について現在検討を進めている。
図表1 235519-1.gif
図表2 235519-2.gif
図表3 235519-3.gif
図表4 235519-4.gif
図表5 235519-5.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4210&YEAR=2012
カテゴリ 加工 乾燥

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