キアンコウの出荷前蓄養および活締め処理、 魚体温度管理による鮮度保持技術の開発

タイトル キアンコウの出荷前蓄養および活締め処理、 魚体温度管理による鮮度保持技術の開発
担当機関 地方独立行政法人青森県産業技術センター
研究期間 2011~2013
研究担当者 竹谷裕平
井川慶之介
中村靖人
発行年度 2012
要約 キアンコウの鮮度保持技術について検証した。安静蓄養・活締め処理区は苦悶死区と比較して、K値や硬直指数の上昇を約24時間遅延する等の鮮度保持効果が確認された。一方、5℃保存区は0℃保存区と比較して、活締め処理ほど大きくは無いが、同様の鮮度保持効果が確認された。これらの結果から、出荷前蓄養および活締め処理、魚体の温度管理(5℃)が鮮度保持に有効であることが示唆された。
背景・ねらい 青森県におけるキアンコウの年間漁獲量は1,000トン弱で推移しており、全国的に重要な生産地である。特に、津軽海峡東部沿岸では生きたまま大量に漁獲されており、刺身等の生食に利用できる貴重な地域資源として県内外で注目を集めている。しかし、一般的に鮮度低下が早いと考えられている魚種であり、大消費地である首都圏等からも遠いためにその優位性を有効に活用できておらず、鮮度保持技術の確立が求められている。そこで、出荷前蓄養および活締め処理、並びに温度管理による鮮度保持効果を検証した。
成果の内容・特徴 固定式刺網等で漁獲したキアンコウについて、鮮度保持処理として1日以上安静に蓄養した後に延髄刺殺したもの(活締め区)、対照区として漁獲後直ちに苦悶させて致死させたもの(苦悶死区)を供試魚とした。貯蔵温度について、0℃および5℃で試験した。結果は、以下のとおりである。
  1. 苦悶死区と比較して、活締め区でK値上昇の遅延効果が確認された。また、通常の上・下氷処理を想定した0℃よりも5℃の方が、K値上昇を遅延する効果が確認されたが、蓄養・活締め処理ほど明確では無く大きな効果ではなかった。
  2. ATPおよびIMPの消失についても、同様の傾向が確認された。
  3. 死後硬直および解硬においても、同様の傾向が確認された。
  4. マサバやヒラメ等では鮮度低下に伴ってpHが低下することが報告されているが、キアンコウではpHが低下せず、むしろpH7.2~7.5の中性付近を維持するという特徴が確認された。
  5. 肉色についても、活締め区は苦悶死区よりも透明度が高く、それは経時的に失われた。
成果の活用面・留意点
  • 現在、既に地元の流通業者が当該技術を活用して刺身用キアンコウを遠隔地 (首都圏) に出荷しており、高価格で取引されている。
  • 一方、当研究は普通筋が対象であり、特にキアンコウのラウンド流通において、商品価値が高い肝臓部位に対して同様の温度管理がどの様な影響を与えるか留意する必要があり、現在研究を進めている。
図表1 235520-1.gif
図表2 235520-2.gif
図表3 235520-3.gif
図表4 235520-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4196&YEAR=2012
カテゴリ 温度管理 出荷調整 鮮度保持技術

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