養豚農家を対象としたベンチマーキングシステムPigINFO

タイトル 養豚農家を対象としたベンチマーキングシステムPigINFO
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2011~2012
研究担当者 山根逸郎
山崎尚則
発行年度 2012
要約 開発したベンチマーキングシステムPigINFOを用いると、個々の養豚農家の各種生産指標の優劣を農家集団内で評価ができる。また、劣った指標の改善目標値を提示し、目標値達成時の増収益を算出でき、動物衛生管理と経営の向上に役立てることができる。
キーワード ベンチマーキング、養豚業、経営診断、疫学調査、感受性分析
背景・ねらい 養豚場におけるベンチマーキングとは、繁殖成績、肥育成績などの各種の生産成績を経時的に測定し、他農場の数値と比較し、経営の改善に役立てるものである。開業獣医師や民間企業と協力して、農家の生産データを解析するシステムを作成する。開発するシステムは入力項目を農家が日常的に扱う数値に絞り、入力のために特別なソフトウェアを必要としない、データ入力が容易なものとする。また、飼料費や枝肉価格など、農家の経営に関わるデータも入力可能とし、特定の飼養衛生管理を改善した際の増収益を推定する感受性分析ができ、農家の動物衛生管理と経営の向上に役立つものとする。
成果の内容・特徴
  1. 開発したシステム(PigINFO)は養豚農家からデータを収集した後、解析結果を農家と担当している獣医師などの関係者に返却することができる。
  2. このシステムは農家より得られたデータから生産指標を算出し、それぞれの指標ごとに優れた点、劣った点を明らかにし、対象母集団内での立ち位置を算出できる(図1左)。算出された生産指標の生産工程内での関係を生産ツリーで表し、経営全体の中での各生産指標の優劣について検討ができる(図1右)。
  3. 劣っている飼養衛生管理の改善目標値を提示し、目標値を達成した時に推定される年間増出荷頭数と増収益を算出できる(図2)。例えば、図2の離乳後死亡率8.59%の農家において、死亡率の目標値7.84%(棒グラフ内の短い矢印分)を達成すると、推定される増出荷頭数は47頭/年、増収益は¥831,732/年となる。
  4. 上記の図表が含まれる解析結果を、3ヶ月ごとに農家に返却することができる。
  5. PigINFOの解析結果はグラフ等で表示されているため、結果の解釈が容易である。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:養豚生産者、養豚生産者団体、獣医師、飼料会社、ワクチンメーカー
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国
  3. その他:
    1. 2011年は105戸、2012年は160戸の農家がPigINFOを活用している。
    2. 現在、データの入出力を容易にするため、データのweb化を検討している。これを達成することにより、より早くデータを解析し、農家に返却することが可能になる。
図表1 236087-1.png
図表2 236087-2.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2012/170d3_01_39.html
カテゴリ 経営管理 経営診断 出荷調整 繁殖性改善

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