タイトル | 東日本大震災後の養殖漁場の底質環境評価 |
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担当機関 | 岩手県水産技術センター |
研究期間 | 2011~2012 |
研究担当者 |
内記公明 |
発行年度 | 2013 |
要約 | 東日本大震災津波により、岩手県沿岸域内湾では、有機物汚濁のある底質の攪乱や陸上からの有機汚濁物質の流入で、底質環境が大きく変化した。そこで、大きく変化した底質環境を評価するために、分析項目に硫酸還元細菌数の計数を加えて、内湾性養殖漁場の環境の把握を行い、震災後の養殖漁場環境について関係者に広く情報提供した。 |
背景・ねらい | 東日本大震災津波により、岩手県沿岸域内湾では、有機物汚濁のある底質の攪乱や陸上からの有機汚濁物質の流入で、底質環境が大きく変化した(図1)。そこで、大きく変化した底質環境を評価するために、将来的な視点も加えて、内湾性養殖漁場の環境を把握し、関係者に広く情報提供することを目的とする。 |
成果の内容・特徴 | 東日本大震災津波後に、貝類養殖漁場付近の海底から海底堆積物を採取し、有機物の量(化学的酸素要求量)を調べた(図1)。また、有機物分解を主に担っていることが知られている硫酸還元細菌の数(異化的亜硫酸還元酵素遺伝子(dsrA遺伝子)コピー数)も計数し、新たな評価手法の導入を検討した。 その結果、有機物の量と硫酸還元細菌の数に相関が見られたことから(図2)、岩手県沿岸域内湾においても、硫酸還元細菌が有機物分解に関わっている可能性が示唆された。このことから、硫酸還元細菌が主に担う有機物分解の作用により、堆積した有機物の量が今後どのように変化し、将来的に養殖漁場の水質へどのような影響を与えるのかを評価できる可能性がある。 |
成果の活用面・留意点 | 養殖漁場の環境へ長期的な影響を与える底質環境を評価し、持続的な漁場利用を促す。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4518&YEAR=2013 |
カテゴリ | 評価法 |