タイトル | 底曳網漁業の混獲削減に向けた漁具開発 |
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担当機関 | 京都府農林水産技術センター |
研究期間 | 2013 |
研究担当者 |
山崎 淳 |
発行年度 | 2013 |
要約 | 京都府底曳網漁業における混獲物の種組成や数量を明らかにし、混獲物を削減するための適正網目を推定した。同時に漁獲されるカレイ類とハタハタを分離漁獲する「二段式改良網」を開発した。分離漁獲により、船上での選別作業時間の短縮が期待でき、上網と下網で魚捕部の網目を変えることで、体型の異なる両種の小型魚が保護できることが明らかとなった。 |
背景・ねらい | 底曳網漁業は本府基幹漁業の一つであり、これまでから保護区の設定や選択的漁獲手法の開発等が行われ、資源の持続的利用や環境に優しい漁業が実践されてきた。これらを一層推進するために、魚曳きにおける混獲を減らすための方策や選別作業の省力化等を図るための漁具改良を行い、漁獲物の安定供給や経営の安定化につなげる。なお、混獲とは全漁獲物のうち、ヒトデ類などの非有用種および有用種であっても商品価値を有さない小型魚の漁獲をいう。 |
成果の内容・特徴 | ・底曳網漁船から漁獲物の一部をサンプリングしたところ、カレイ、ハタハタ漁やニギス漁の魚曳きでは、混獲量が全漁獲量の約40%以上を占めた。混獲されていたのは主にカレイ類、クモヒトデやズワイガニなどであった(表1)。 ・底曳網漁業の重要種(ズワイガニ、カレイ類等)に対する網目選択性を推定し、魚種ごとに小型個体の保護に有効な目合を明らかにした。 ・内部に仕切網を取り付けた上下二段式の改良網(図1)を作成して試験操業を行った結果、入網したカレイ類の90~95%が下網に、ハタハタ、ニギスの70~80%が上網に分離漁獲できた(図2)。 ・分離漁獲による選別作業時間を実験的に計測したところ、二段式改良網を使用することにより、選別作業時間は通常網に比べて約35%の短縮が期待できることが分かった。 |
成果の活用面・留意点 | ・二段式改良網の魚捕部の目合を下網5節に、上網8~9節(既存知見)にすることで商品価値のないカレイ類、ハタハタの未成魚を保護することができる(図1)。 ・二段式改良網の使用により選別作業時間が短縮されれば、漁獲物の鮮度向上にもつながる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4515&YEAR=2013 |
カテゴリ | 経営管理 省力化 |