ケンサキイカふ化稚仔の65日間飼育

タイトル ケンサキイカふ化稚仔の65日間飼育
担当機関 佐賀県玄海水産振興センター
研究期間 2012~2016
研究担当者 江口勝久
発行年度 2013
要約 ケンサキイカの初期生態解明を目的とした、ふ化稚仔の飼育技術開発の一環として、飼育容器の色が生残に及ぼす影響を検討した。その結果、用いた4色(黒、橙、青、透明)の中では、黒と橙が飼育に適すると判断された。また、最長で65日間の生残を記録し、本種では初の初期飼育事例となった。
背景・ねらい ケンサキイカは佐賀県玄海域における重要な水産資源の一つであるが、近年、漁獲パターンが変化し、漁獲量は不安定かつ減少傾向にある。この要因解明のためには、本種の基礎的な生態を明らかにする必要がある。本研究では、その一環として、初期生態解明を目的とした初期飼育技術の検討を行った。
成果の内容・特徴 本種のふ化稚仔を飼育容器の色別(黒、橙、青、透明)に飼育し、生残率の推移を比較した。飼育試験は計3回行い、その期間は1回次で2012年7月25日~8月14日(20日間)、2回次で8月21日~30日(10日間)、3回次で9月30日~10月14日(15日間)であった。飼育容器は500L 円形水槽各色2 基を用い、ふ化した仔イカ(外套背長2.0~2.3mm)を1個体/Lの密度で収容した。飼育試験は蛍光灯を24時間点灯した屋内で行い、飼育水槽水面の照度は200Lux程度であった。飼育試験の水温は、飼育室内の空調により、20~23℃を保つように調整した。通気はφ50mmの丸型エアーストーン1基を用いた。餌料には灯火採集した天然動物プランクトン(主にカイアシ類)を用い、給餌密度が2個体/mL程度となるように1日3回に分けて給餌した。

 飼育試験の結果、黒および橙色の飼育容器での生残がよい傾向がみられた(図1)。これは、餌料の色調とのコントラストが明瞭で、餌料を認識、捕食しやすいことに関係していると考えられた。

 その後、飼育試験を継続し、最長で65日間の生残を確認し、飼育期間中の最大個体は外套背長19.1mmであった(図2)。これは本種における初の飼育事例の報告である。
成果の活用面・留意点 今後、本研究で検討した項目以外(水温、水流、照度等)についても明らかにすることにより、種々の飼育実験を可能とし、本種の初期生態解明に大きく貢献していきたい。
図表1 236294-1.jpg
図表2 236294-2.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4605&YEAR=2013
カテゴリ 飼育技術

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる