養殖ブリ人工種苗の早期生産に成功~ブリ養殖の赤潮被害軽減に活路!!~

タイトル 養殖ブリ人工種苗の早期生産に成功~ブリ養殖の赤潮被害軽減に活路!!~
担当機関 (独)水産総合研究センター 西海区水産研究所
研究期間 2011~2012
研究担当者 堀田卓朗
吉田一範
発行年度 2013
要約 赤潮被害が発生する時期より早く養殖ブリを出荷するため、約半年早い季節に採卵し、大量の人工種苗を生産する技術を開発した。この早期人工種苗を温暖な種子島で育成し、同時期の天然の種苗(5~10cm)より大きな養殖ブリの種苗(15~20cm)を得ることに初めて成功した。
背景・ねらい 現在のブリ養殖は、天然の種苗に依存しているため、出荷は主に2年目の秋以降となっている(図1)。出荷直前の夏は赤潮の発生時期と重なるので、時に大きな漁業被害が発生する(図2)。このため、養殖業界から、ブリの種苗を人工的に早期に生産・育成することで赤潮発生前の出荷を可能にすることが強く求められてきた。
成果の内容・特徴 水産総合研究センター西海区水産研究所では、ブリ人工種苗の早期生産技術開発に取り組み、平成23年には飼育環境条件を調整することで、従来より半年早い11月に採卵させることに成功し、平成24年3月には人工種苗を12cmにまで成長させ、種子島に輸送した。その成果を受けて鹿児島県東町漁業協同組合では鹿児島県の協力の下、早期人工種苗を種子島で平成24年4月中旬に20cmまで育成し、同時期の天然種苗に比べると著しく大きな人工種苗を得ることに初めて成功した(図3)。その後、これらの種苗は東町漁協の養殖場における約1年間の養殖試験を経て、本年7月には4kgを越え、8月以降市場へ出荷した(図4)。一部では「夏ぶり」として新聞紙上等で取り上げられ、赤潮被害軽減対策に加え、新たな消費促進としての方向性も期待される。
成果の活用面・留意点 本成果は赤潮被害軽減対策に加え、新たな消費促進としての方向性も期待されているが、成熟制御の機序解明や安定採卵技術、輸送技術の確立やコストの大幅な削減等、多面的で多様な課題も浮きぼりになった。現在、農林水産技術会議の委託プロジェクト研究(平成24~28年度)において、早期人工種苗を低コストで安定的に生産するための技術開発に取り組んでおり、今後は採算性の大幅な向上と産業レベルでの種苗量産・供給体制の構築を目指す。
図表1 236301-1.jpg
図表2 236301-2.jpg
図表3 236301-3.jpg
図表4 236301-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4600&YEAR=2013
カテゴリ コスト 出荷調整 低コスト 輸送

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