LAMP法を利用した豊後水道域におけるカレニア越冬細胞の広域調査

タイトル LAMP法を利用した豊後水道域におけるカレニア越冬細胞の広域調査
担当機関 (独)水産総合研究センター 瀬戸内海区水産研究所
研究期間 2012
研究担当者 坂本節子
板倉茂
鬼塚剛
山口峰生
長崎慶三
大澤宏至
他15名
発行年度 2013
要約 夏季に赤潮を形成する有害渦鞭毛藻カレニア・ミキモトイは、増殖に不適な冬季には栄養細胞のまま低密度で生残して、翌年の赤潮の初期個体群となっていると推察される。そこで、高感度に検出可能なLAMP法を用いて、冬季豊後水道における本種の越冬細胞の広域分布調査を実施した。その結果、本種栄養細胞が越冬可能であり、越冬細胞は愛媛県中部沿岸に高密度で分布していたことが強く示唆された。
背景・ねらい 平成24年6~7月にかけて瀬戸内海西部の豊後水道海域で広い海域で有害赤潮プランクトンであるKarenia mikimotoiが赤潮を形成し、大分県・愛媛県沿岸域の魚類養殖を中心に約13億円の漁業被害が発生した。沿岸漁業の振興を図る上で有害赤潮による漁業被害の軽減対策の確立は喫緊の課題であるが、K. mikimotoi赤潮に関しては休眠細胞の存在が確認されておらず、冬季における細胞の生態や赤潮初期発生海域について不明な点が多く残されているため、各種対策を講じる上での大きな障害となっている。そこで、本研究では冬季の海水中に低密度で存在していると推測されるK. mikimotoiの越冬細胞の水平分布を明らかにするため、本種を高感度に検出可能な遺伝子検査法LAMP法(Loop-mediated Isothermal Amplification)を用いて、豊後水道海域において越冬細胞の分布および海洋環境の一斉調査を広域かつ集中的に実施した。
成果の内容・特徴 2013年1月~3月に豊後水道においてK. mikimotoi分布調査のための採水および海洋環境調査を行った。沿岸調査定点として愛媛県沿岸地先で82定点、大分県で5定点の計87定点で8回(各回朝と昼に採水)、広域調査として42定点で4回の調査を行った。表層から10m層までの柱状採水を行い、一定量の海水を3.0μm孔のフィルターでろ過してプランクトンを回収、DNA抽出してLAMP法蛍光目視検出による分析を行った(図1)。蛍光目視検出で検出された試料については機器分析による会合曲線解析を行い、非特異的反応の有無を確認した(図2)。その結果、K. mikimotoiは愛媛県中部沿岸の調査点に集中して検出された(図3)。調査海域における水温・塩分は概ね12~17℃および34~35の範囲にあった(図4)。山口(1994)は室内実験によりK. mikimotoiの栄養細胞が水温10~30℃、塩分10~30で増殖可能であることを報告している。これらのことから、本調査海域においてK. mikimotoiが栄養細胞で越冬可能であり、越冬細胞が愛媛県中部沿岸に高密度で分布していたことが強く示唆された
成果の活用面・留意点 今後は越冬細胞分布海域の特性や夏季に向けての継続的なモニタリング調査を行うことにより、赤潮発生予測技術や赤潮被害軽減対策の開発につながることが期待される。
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図表2 236328-2.jpg
図表3 236328-3.jpg
図表4 236328-4.jpg
図表5 236328-5.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4672&YEAR=2013
カテゴリ モニタリング

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