オイルパーム幹からのバインダーレスパーティクルボードや圧縮板の製造

タイトル オイルパーム幹からのバインダーレスパーティクルボードや圧縮板の製造
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 杉元倫子
Rokiah Hashim
Othman Sulaiman
佐藤雅俊
発行年度 2013
要約 未利用であるオイルパーム幹を用い、原料粉末のみの熱圧締によるバインダーレスパーティクルボードや圧力と熱をかけて密度を高めた圧縮板が製造できる。実用化されれば、新規原料が天然林資源の代替となり、既存産業を衰退させず天然林を保護することへ貢献する。
キーワード オイルパーム、幹、バインダーレス、パーティクルボード、圧縮板
背景・ねらい マレーシアやインドネシアの農林水産業において、パーム油は重要な生産物の一つである。プランテーションでは、若木に更新するために25~30年経ったオイルパームが伐採され、幹などの未利用バイオマスが大量に発生する。そこで、オイルパーム幹が持つ特徴を生かした、材料の開発を試みた。これまでになかった原料とその利用法を提案することにより、枯渇が危惧される天然林資源の保護にも役立つことを期待している。
成果の内容・特徴
  1. 「つなぎ」となるものを加えず、オイルパーム幹の粉末を直接熱圧締することで「バインダーレスパーティクルボード」を製造できる(図1)。得られるボードの強度は、圧締時のプレス温度が200°Cで最大となる。
  2. オイルパーム幹のブロック状の材を板目面から熱圧縮することで密度を高め、「圧縮板」を製造できる(図2)。熱圧縮の前に130°C水蒸気処理を行うことで、圧縮板の物理的性質や寸法安定性が向上する。
  3. 単糖・二糖類を抽出したオイルパーム幹の粉末を原料としてバインダーレスパーティクルボードボードを製造すると、得られるボードの性質が低下する。一方で、グルコースやスクロース(ショ糖)を加えたボードは物理的性質や寸法安定性が向上する。デンプン添加のボードにはこのような効果が見られないことから、オイルパーム幹の樹液のグルコースやスクロースなどが、バインダーレスボードの製造過程で重要な役割を果たしている(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 木質材料を製造している工場であれば、ここで示したバインダーレスパーティクルボードや圧縮板の製造に比較的容易に対応可能であり、枯渇が危惧される天然林資源への依存度を下げる効果も期待される。
  2. 得られたバインダーレスパーティクルボードの寸法安定性が低いため、耐水性を要求されない利用法(内装や室内用家具など屋内用途)を想定している。
  3. バインダーレスパーティクルボードは、製造時の温度条件だけではなく原料の粒子形状なども、得られるボードの性能に寄与する。 
図表1 236353-1.jpg
図表2 236353-2.jpg
図表3 236353-3.jpg
研究内容 http://www.jircas.affrc.go.jp/kankoubutsu/seika/seika2013/2013_C08.html
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