衛星リモートセンシング技術を用いて米国トウモロコシ単位収量を広域把握する

タイトル 衛星リモートセンシング技術を用いて米国トウモロコシ単位収量を広域把握する
担当機関 (独)農業環境技術研究所
研究期間
研究担当者 坂本利弘
発行年度 2013
要約 高頻度観測衛星センサ(MODIS)によって観測された植生指数(WDRVI)のトウモロコシ絹糸抽出期7~10日前の値が単位面積あたりの子実収量と高い相関関係を示すことを発見し、アメリカコーンベルトのトウモロコシ単位収量を精度よく広域的に推定するリモートセンシング技術を開発しました。
背景・ねらい 2012年に米国コーンベルトで発生した干ばつは、記録的なトウモロコシの不作(生産量 前年比12.8%減)を引き起こしました。日本は、加工食品原料・家畜飼料用のトウモロコシの大半を米国から輸入しています。そのことから、我が国の食料安全保障を強化する上で、米国産トウモロコシの作況を独自に監視・評価するための衛星情報分析技術の重要性が高まっています。そこで、米国におけるトウモロコシの単位収量を広域把握するための衛星リモートセンシング技術の開発を目指して研究を行いました。
成果の内容・特徴
  1. 高頻度観測衛星センサ(MODIS)から得られた時系列植生指数(WDRVI)とトウモロコシ子実収量(ネブラスカ州立大学試験圃データおよびアメリカ農務省発表の郡別統計データ)を比較し、栄養生長末期(絹糸抽出期7~10日前, 収穫の約3か月前)の値と単位収量の間に最も高い線形相関関係があることがわかりました。これから、この時点の衛星観測データを用いてトウモロコシ単位収量を予測可能であること明らかにしました(図1)。
  2. トウモロコシ作付地の判定にはアメリカ農務省統計局公開の作物分類図を利用し、アメリカ農務省統計データを用いて郡別収量推定モデル式を作成することにより、トウモロコシ単位収量の州レベル年次変動や画素~郡レベルの空間分布特性を評価することができるようになりました(図2,図3)。なお、絹糸抽出期は、同じMODISから得られたWDRVIに「Shape model fitting法」を用いることで求めました。2)
  3. コーンベルトを含む主要トウモロコシ生産州(18州)については、MODISの低い地上分解能(250m)に起因するバイアス誤差が少ないことから、高い精度(二乗平均平方誤差:0.81t/ha)で推定することができました。また、干ばつによる不作となった2002年と2012年においても、統計値と良く一致していました(図2)。
  4. 本研究成果の活用には、事前にトウモロコシ分布図を把握しておく必要があります。高解像度衛星画像(LANDSAT等)による土地利用分類結果と組み合わせることで、早期予測システムとして活用することが期待されます。
成果の活用面・留意点 本研究は、ネブラスカ州立大学(UNL)との共同研究による成果です。
図表1 236402-1.jpg
図表2 236402-2.jpg
図表3 236402-3.jpg
研究内容 http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result30/result30_70.html
カテゴリ 加工 飼料用作物 とうもろこし 分析技術 リモートセンシング

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