鶏肉脂肪酸中のアラキドン酸含量が高い鶏の効率的選抜手法

タイトル 鶏肉脂肪酸中のアラキドン酸含量が高い鶏の効率的選抜手法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2011~2013
研究担当者 高橋秀彰
清原玲子
江川やよい
山口進
力丸宗弘
発行年度 2013
要約 アラキドン酸生合成に関わる酵素の遺伝子多型情報を活用することによって、鶏肉脂肪酸中のアラキドン酸含量の高い鶏を効率的に選抜することができる。
キーワード 鶏肉、アラキドン酸、アラキドン酸関連遺伝子群、一塩基多型
背景・ねらい 従来、地鶏のおいしさは、グルタミン酸等の水溶性うま味成分の多さに起因するとされてきた。しかしながら、グルタミン酸を含む個々の遊離アミノ酸は、地鶏よりもブロイラーの方が有意に多いか、多い傾向にあり、遊離アミノ酸総量もブロイラーの方が有意に多いとする報告が、近年増加し、地鶏のおいしさはうま味成分だけでは説明がつかない。そこで、鶏肉のうま味成分の感受性を強めるアラキドン酸に着目し、鶏肉の食味性のさらなる改善を目指し、鶏肉脂肪酸中のアラキドン酸含量の高い鶏を効率的に選抜する方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. アラキドン酸生合成に関わる3つの酵素(図1:デルタ6デサチュラーゼ(D6D)、エロンガーゼ5(EL5)、デルタ5デサチュラーゼ(D5D))遺伝子の一塩基多型(SNP)によって、鶏肉のアラキドン酸は制御されている。
  2. 3つの酵素のうち、EL5遺伝子は第3番染色体に、D5DおよびD6D遺伝子は第5番染色体に隣り合って存在する。EL5およびD6D遺伝子の5'上流の遺伝子発現調節領域にはA/TおよびA/G、D5D遺伝子の第1エキソンにはA/Gの非同義置換SNPが存在する(図2)。
  3. 比内地鶏(比内鶏とロードアイランドレッド種の一代交雑種)では、当該SNPによる4つの組み合わせ(ハプロタイプ)が検出され、H3のアラキドン酸を高める効果が最も高い(表1)。22週齢比内地鶏もも肉に含まれるアラキドン酸は、ハプロタイプの相加的組み合わせから推定できる。
  4. 鶏肉脂肪酸中のアラキドン酸は生体での測定が困難であり、と殺後の測定も容易ではないが、当該SNPを育成期に調べることによって、鶏肉脂肪酸中のアラキドン酸含量が高い鶏を効率的に選抜できる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:地鶏生産を担う公設研究機関、地鶏生産者団体等
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:秋田県、岐阜県、宮崎県、熊本県の公設研究機関が維持している地鶏種鶏群において、当該SNP情報を活用したDNAマーカー選抜を予定している。
  3. その他:SNPの簡易識別法等の関連情報は、特許出願中であるため、詳細は問い合わせいただきたい。
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研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2013/13_021.html
カテゴリ DNAマーカー 良食味

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