トウモロコシから飼料用玄米への代替は泌乳牛の尿中窒素排泄率を低下させる

タイトル トウモロコシから飼料用玄米への代替は泌乳牛の尿中窒素排泄率を低下させる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2010~2013
研究担当者 宮地慎
松山裕城
細田謙次
野中和久
発行年度 2013
要約 泌乳牛に蒸気圧ぺんトウモロコシの代替として蒸気圧ぺん飼料用玄米を給与すると、尿中への窒素排泄率は低下する。尿中へ排泄されなかった可消化窒素は、乳および体蓄積へ配分されるため、代替給与はタンパク質の利用効率向上に有効である。
キーワード 乳牛飼養、飼料用米、代替給与、窒素利用、発酵TMR
背景・ねらい わが国において乳牛用飼料中の主なデンプン源として輸入トウモロコシの代替に飼料用玄米の利用が期待されているが、飼料用玄米は輸入トウモロコシに比べ第一胃内分解速度が速い飼料特性を有する。このようなデンプン源穀実の第一胃内分解速度は家畜の窒素利用に影響を及ぼすことが知られているが、泌乳牛の窒素利用に対する飼料用玄米代替給与の影響については明確でない。そこで、複数のタンパク質源飼料を併給飼料として用い、溶解性タンパク質(SIP)含量の異なる3水準の飼料設定下においてトウモロコシから飼料用玄米へ代替給与した場合の泌乳牛の窒素出納を比較し、乳牛の窒素利用に対する飼料用玄米代替給与効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. SIP含量の低いTMR(低SIP飼料)の主なタンパク質源飼料は、豆腐粕およびアルファルファ乾草であり、そのTMR中のSIP含量は総タンパク質あたり28%である。SIP含量が中程度のTMR(中SIP飼料)の主なタンパク質源飼料は、大豆粕であり、そのTMR中のSIP含量は総タンパク質あたり44%である。SIP含量の高いTMR(高SIP飼料)の主なタンパク質源飼料は、アルファルファサイレージであり、そのTMR中のSIP含量は総タンパク質あたり57%である。(表1)。
  2. 蒸気圧ぺんトウモロコシの代替として蒸気圧ぺん飼料用玄米を給与すると、いずれのSIP含量の異なるタンパク質源飼料を併給しても、乳牛の窒素摂取量あたりの乳および糞中窒素排泄率は変化しないが、尿中窒素排泄率は低下する(図1)。
  3. 蒸気圧ぺんトウモロコシの代替として蒸気圧ぺん飼料用玄米を給与すると、いずれのSIP含量の異なるタンパク質源飼料を併給しても、乳牛の可消化窒素摂取量あたりの乳と体蓄積の和への窒素配分率は増加する(図2)。
  4. 泌乳牛に対し蒸気圧ぺんトウモロコシの代替として蒸気圧ぺん飼料用玄米を給与すると、尿への窒素排泄が低減される。さらにその尿中へ排泄されなかった可消化窒素は、乳および体蓄積へ配分され、乳牛の窒素利用効率を向上させる。
成果の活用面・留意点
  1. 乳牛への輸入トウモロコシから飼料用玄米代替給与の基礎的データとして活用できる。
  2. 穀実は加工処理によって分解特性が異なるため、蒸気圧ぺん処理以外の加工法では本成果と同等の成績が得られない可能性がある。
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図表4 236542-4.jpg
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図表6 236542-6.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2013/nilgs13_s05.html
カテゴリ アルファルファ 加工 飼料用米 飼料用作物 大豆粕 とうもろこし 乳牛

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