優性遺伝効果を考慮したゲノム情報に基づく遺伝的能力評価法の開発

タイトル 優性遺伝効果を考慮したゲノム情報に基づく遺伝的能力評価法の開発
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2012~2013
研究担当者 西尾元秀
佐藤正寛
発行年度 2013
要約 ゲノミックBLUP(GBLUP)法では考慮できなかった、優性遺伝効果を含むGBLUP(GBLUP-D)法を開発することで、優性遺伝効果を含んだ遺伝的能力の推定精度を高くすることができる。
キーワード ゲノム情報、優性遺伝効果、優性遺伝分散、広義の遺伝率、推定精度
背景・ねらい 全ゲノム上に存在する1塩基多型(SNP)を用いて、家畜の遺伝的能力を評価する研究が盛んに行われている。特に、SNP情報に基づいて個体間の関係をゲノム関係行列として構築し、従来のBLUP法における相加的血縁行列に置き換えたゲノミックBLUP(GBLUP)法が乳牛を中心に実用化されつつある。一般に、GBLUP法では優性遺伝効果を考慮することができない。しかし、豚の生存産子数や乳牛の増体などにおいて優性遺伝効果の関与が報告されており、GBLUP法においてもそれを考慮することで遺伝的能力の推定精度の向上が期待できる。本研究では、優性遺伝効果を含むGBLUP(GBLUP-D)法を開発する。また、GBLUP-D法による分散成分および遺伝的能力の推定精度を算出し、シミュレーションデータおよび英国種豚会社PICの実データ(PIC1およびPIC2)の両面からそのモデルの性能を検証する。
成果の内容・特徴
  1. GBLUP-D法は、相加的遺伝子効果に加えて優性遺伝効果を考慮するために、従来のGBLUP法で考慮している相加的ゲノム関連行列に加えて、優性ゲノム関連行列を考慮できる。
  2. シミュレーションデータから、GBLUP-D法によって優性遺伝分散の推定が可能となり、GBLUP法よりも真値に近い広義の遺伝率が得られる(表1)。
  3. いずれのデータにおいても、相加的遺伝効果の推定精度はGBLUP法とGBLUP-D法との間で差は認められない(表2)。また、優性遺伝効果を含んだ遺伝的能力の推定精度はGBLUP-D法のほうが優れている。GBLUP-D法によるシミュレーションデータの優性遺伝効果の推定精度は0.339である。
成果の活用面・留意点
  1. ブタやニワトリの交雑系を作出する場合に、ヘテローシスを発揮できるように個体を選抜することが可能となる。
  2. GBLUP-D法では、相加的遺伝効果およびその分散成分の推定精度は向上しない。
図表1 236549-1.jpg
図表2 236549-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2013/nilgs13_s12.html
カテゴリ 乳牛 評価法

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