タイトル |
マルドリ方式等の水源を確保するための太陽光発電を用いた揚水システム |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 |
2011~2013 |
研究担当者 |
島崎昌彦
向井章恵
細川雅敏
星典宏
根角博久
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発行年度 |
2013 |
要約 |
傾斜地の点滴かんがいの水源を確保するために、小規模独立形太陽光発電システムと小型高揚程ポンプを組み合わせて、60m以上の揚水ができるシステムを構築し、そのライフサイクルコストを低減する間欠運転を行う技術である。
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キーワード |
太陽光発電、ポンプ、点滴かんがい、傾斜地カンキツ園、マルドリ方式
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背景・ねらい |
傾斜地カンキツ園においてマルドリ方式を導入する場合、水源が低い位置にあると、ポンプで直接かん水するためには、高揚程で一気に大量の水を送水するポンプが必要となり、そのための大きな電力を必要とする。しかし、傾斜地園地では適切な電源を得られない場合が多い。一方、点滴かんがいでは必要な総水量は少ないため、かん水をしないときに長時間をかけて園地上部の給水タンクへ少しずつ揚水し、必要なときに自然圧力で一気にかん水することが可能である。この方法では、ポンプは高圧で揚水できれば小型のもので十分であり、必要な電力は太陽電池で十分に賄えることが期待される。そこで、太陽電池を電源とした、ライフサイクルコストが低く導入しやすい少量高圧揚水技術を実用化する。
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成果の内容・特徴 |
- 本技術に用いるシステムの主な構成機器は、図1に示すとおり、太陽電池モジュール、充放電コントローラ、バッテリ、直流ポンプである。
- バッテリは、深い放電に対応するディープサイクル型鉛蓄電池、ポンプは高圧小水量に対応するダイヤフラム式直流ポンプとする。
- 標準的な性能は、マルドリ方式の標準的な導入単位を想定して、かんがい面積10a、揚水高さ60mとして、マルドリ方式マニュアルのかん水基準に沿ったかん水(最もシステムに負荷がかかるのは4月中旬に6回、1回1,950Lのかん水)を行えるものとする。標準的な構成を表1に、実際の使用における揚水量(=使用量)の例を図2に示す。
- システムのライフサイクルコスト低減のためには、耐用年数が概ね1~5年程度と比較的短く、コストが機材全体に対して概ね1/3~1/2を占めるバッテリおよびポンプの劣化を極力抑制することが有効である。
- タイマーを用いたポンプの間欠運転(例えば15分運転30分停止など)が、バッテリとポンプ両方の劣化抑制に有効である。間欠運転により、ポンプの温度上昇による内部配線の損耗や、ダイヤフラムの劣化が抑制されると考えられる。また、バッテリについては、放電の進行が抑制され、バッテリ電圧が低下した状態となる時間が減少する(図3)。このことは、バッテリ劣化の進行を抑制する。なお、間欠運転の運転・停止時間は、ポンプの能力と必要水量を勘案して決定する。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:カンキツ生産者
- 普及予定地域・普及予定面積:東海以西に30ha
- 日照が少なく水需要も小さい時期があれば、揚水を夜間に行えば、日中にバッテリの電圧を十分に上昇させやすいため、バッテリの長寿命化のためにさらに有効である。
- 企業に設計、調達および施工を委託可能である。設置はある程度の技術があれば生産者でも行える。また、設計マニュアルを作成する予定(2014年7月)であり、生産者が設計を行って資機材を個別に調達することも可能である。
- 標準的な構成で、施工費を除いた初期コストは、パイプとケーブルを150mとすると、一例として約30万円である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/warc/2013/13_033.html
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カテゴリ |
傾斜地
コスト
低コスト
その他のかんきつ
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