比内鶏雌の発育性を促進するモチリン受容体遺伝子の多型

タイトル 比内鶏雌の発育性を促進するモチリン受容体遺伝子の多型
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2011~2013
研究担当者 高橋秀彰
力丸宗弘
小松恵
上本吉伸
鈴木啓一
発行年度 2013
要約 モチリン受容体遺伝子の5'発現調節領域に存在するマイクロサテライトDNA多型は、比内鶏雌の発育性に関連し、比内鶏の発育性の育種改良に応用できる。
キーワード 家畜生産・家畜育種
背景・ねらい 地鶏の発育性の育種改良は、西洋種と比べて遅れている。地鶏の発育性の改良を効率化するためには、形質と関連するマーカー遺伝子の特定が必要である。そこで、発育性が異なる系統を交配し作出した比内鶏を用いて、量的形質遺伝子座位(QTL)解析を実施した。その結果、第1番染色体と第4番染色体にそれぞれ1つのQTLを見出し、第4番染色体のQTLに存在するコレシストキニンA受容体遺伝子が、発育性の改良に有効なマーカー遺伝子であることを報告した。本研究では、第1番染色体のQTLのピーク位置に存在し、消化管の蠕動運動を促進するホルモンとして知られる「モチリン」の受容体遺伝子に着目し、比内鶏の発育形質に及ぼすモチリン受容体遺伝子の多型の影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 発育性が異なる系統を交配し作出した比内鶏F2集団において、モチリン受容体遺伝子は、3つのハプロタイプ(H1~3、日本DNAデータバンクの登録番号AB703068~AB703070)が同定され、H1の発育が最もよい(図1)。このことから、同遺伝子の多型は、比内鶏の発育性の育種改良に応用できる。
  2. 比内鶏のモチリン受容体遺伝子の、5'発現調節領域には、5塩基(GGGGC)を基本単位とするマイクロサテライトDNAの反復回数多型が存在する。ニワトリゲノムのドラフト解読配列における当該部位の反復回数は2回であり、H1、H2、H3の反復回数は、それぞれ、3、4、5回である(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 比内鶏F2集団の雄あるいは全体の発育形質では、モチリン受容体遺伝子のハプロタイプの効果に有意差はない。
  2. 他の品種系統における、モチリン受容体遺伝子のマイクロサテライトDNA多型の存在の有無は不明であり、個別の検討を要する。
図表1 236772-1.jpg
図表2 236772-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2013/nilgs13_s16.html
カテゴリ 育種 品種

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