タイトル |
計量魚探機による北海道日本海におけるスケトウダラ仔稚魚の日周鉛直移動と昼夜間の音響的特徴の解明 |
担当機関 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構稚内水産試験場 |
研究期間 |
2005~2014 |
研究担当者 |
板谷和彦
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発行年度 |
2014 |
要約 |
北海道日本海においてスケトウダラ仔稚魚の分布を計量魚探とネット採集により調べた。仔稚魚は昼間には深度40~80 m、夜間には深度20~50 mの範囲に分布し、海底や表層デッドゾーンへの移動による現存量の過小推定は小さいと考えられた。魚探反応量は、夜間が昼間よりも高くなり、これは、夜間にはオキアミ類の音響反応がエコー積分への加入によるため、調査は昼間の実施が望ましいと結論された。
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背景・ねらい |
スケトウダラ北部日本海系群の資源評価・解析において、加入前の年級群豊度の把握は重要課題である。また、加入量変動の要因解明には仔稚魚期の生残を調べる必要がある。これらの課題の解決には、仔稚魚期の発生豊度の正確な把握が求められ、2005年から仔稚魚の発生量を把握する現存量調査が行われている。仔稚魚は体内に鰾を持つため音響的手法による現存量推定が期待でき、本課題では計量魚探により仔稚魚の日周鉛直移動などの生態を調べ、調査を有効に実施する時間帯を明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
調査は2005年4月に道北日本海において実施した(図1)。採集された仔稚魚は体長約2cmで(図2)、昼間には深度40~80 m、夜間には深度20~50 mの範囲に分布し、魚探調査において海底や表層デッドゾーンへの移動による現存量の過小推定は小さいと考えられた(図3)。同一定線で魚探反応量を昼夜比較すると、夜間の合計値は昼間よりも1.1~1.4倍高くなり(図4)、この理由として、昼間にはオキアミ類はパッチ群を形成するのでエコーグラム上で簡単にエコー積分から除外できるが、夜間にはオキアミは仔稚魚の分布する水深帯に層状に分散し、それらの音響反応が仔稚魚のエコー積分へ加入したことが影響していると考えられた。したがって、仔稚魚の魚探による現存量調査は昼間に実施するのが望ましいと考えられた。
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成果の活用面・留意点 |
仔稚魚の現存量調査はスケトウダラ北部日本海系群の新規加入量調査として既に実施されており、上記の知見は調査の精度向上と効率化に活用されている。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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図表7 |
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図表8 |
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図表9 |
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研究内容 |
http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4771&YEAR=2014
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カテゴリ |
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