タイトル | 操業情報共有による北海道マナマコ資源の管理支援システム開発とガイドラインの策定 |
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担当機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構稚内水産試験場 |
研究期間 | 2011~2013 |
研究担当者 |
佐野稔 |
発行年度 | 2014 |
要約 | 北海道のマナマコ資源の持続的利用を支援するために、ICT技術の活用により、漁業者自らが調査して情報を共有し、資源評価を行い、資源管理に取り組むことを可能とする「北海道資源管理支援システム」を開発した。同時に、北海道のマナマコの生態的知見や漁業者が自主的な資源管理に取り組む際の資源管理の進め方や具体的方法を取りまとめた「北海道マナマコ資源管理ガイドライン」を策定、刊行した。 |
背景・ねらい | 北海道のマナマコの単価が2003年から高騰したことで、漁業者の生産意欲が高まり、乱獲の危機に直面していた。北海道のマナマコの資源管理は漁業者による自主管理である。そこで、漁業者によるマナマコ資源の自主管理を支援するために、ICT技術を活用したマナマコ資源管理支援システムの開発と、北海道マナマコ資源管理ガイドラインの策定を目的とした。 |
成果の内容・特徴 | iPadアプリとしてなまこけた網用のデジタル操業日誌と、3G回線で漁船のGPSデータを送信するマイクロキューブを開発した(図1)。送信されるデータを安定して蓄積、管理するデータベースサーバを構築し、操業情報データベースのデータから自動的に資源量推定や資源分布マップを作成するプログラムと結果を配信するwebページを開発した。これらを組み合わせて、マナマコ資源管理支援システムを開発した。 北海道日本海とオホーツク海におけるマナマコの分布特性を明らかにし、保護区の設定が前浜全体の総産卵量を底上げする効果があることを明らかにした。新たな生態的知見としてマナマコの体重と産卵量の関係や、北海道周辺の産卵時期、産卵する水温条件を明らかにした。さらにマナマコ資源量の経年変化から、マナマコ資源量の減少要因は漁獲であり、マナマコ資源を持続的に利用するには、漁期後から漁期初めまでの資源の増加量を上回らない漁獲量を設定することが最も重要であることを明らかにした(図2)。上記成果を取りまとめて北海道マナマコ資源管理ガイドラインを刊行した(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | このシステムの開発は、当初3名の漁業者の協力を得て進められ、頻繁に成果を説明するとともに漁業者からの要望を逐次反映させながら進めた。その結果、現在では該当地区全員が参加して自主的にシステムを運営するに至った。このシステムは日本事務器株式会社北海道支社を通じて販売されると同時に、オホーツク海のホタテ漁業への転用が行われ、マナマコだけにとらわれない技術活用が展開されている。 北海道マナマコ資源管理ガイドラインは稚内水産試験場のホームページで公開している。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4731&YEAR=2014 |
カテゴリ | ICT GPS データベース |