東日本大震災後のエゾアワビ及びキタムラサキウニの資源回復過程の把握

タイトル 東日本大震災後のエゾアワビ及びキタムラサキウニの資源回復過程の把握
担当機関 宮城県水産技術総合センター 
研究期間 2011
研究担当者 日下啓作
鈴木金一
中家浩
高見秀輝
発行年度 2014
要約  東日本大震災で甚大な被害を受けたことが懸念される宮城県沿岸のエゾアワビ及びキタムラサキウニの資源回復過程を把握するため、潜水による分布状況調査を行い、資源の早期回復と適切な漁場管理に向けた基礎資料とするため漁業関係者に情報提供を行った。
背景・ねらい  東北地方太平洋沖地震に伴う大津波により、宮城県沿岸の重要な磯根資源であるエゾアワビ、キタムラサキウニは甚大な被害を受けたことが懸念された。このため、震災後のエゾアワビ及びキタムラサキウニの被害状況及び回復過程を把握するとともに、漁業者が適切な漁場管理を行っていく上での基礎資料とするため、県内11箇所で潜水100mライントランセクトによる分布状況調査を行った。
成果の内容・特徴 1.震災後、調査海域におけるエゾアワビの最大分布密度は、3箇所(B,I,K)で天然再生産に必要とされる1個体/m2を下回る状況が継続した(図1)。また、震災後のエゾアワビ0歳貝の発生が低水準にあることが示唆され、天然再生産によるエゾアワビの資源回復が遅れることが懸念された。

2.震災後、キタムラサキウニの平均分布密度は5箇所(B,E,F,J,K)で増加し続けている傾向が認められた(図2)。県北部沿岸では海藻群落が維持されるウニ分布密度の上限とされる200g/m2(およそ2~3個体/m2)を継続して超過している漁場が認められ、今後、海藻群落に深刻な影響を及ぼす可能性が懸念された。

3.調査結果を踏まえて、エゾアワビ資源の回復のための母貝保護や、海藻群落の維持・増大のためのキタムラサキウニ資源の積極的な活用について漁業関係者への提言を行った。
成果の活用面・留意点  本調査結果は、エゾアワビの資源回復や海藻群落の維持・増大に向けた適切な漁場管理を行っていく上で重要な資料であり、今後も継続的に状況を把握していく必要がある。
図表1 236806-1.jpg
図表2 236806-2.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4868&YEAR=2014
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