タイトル | エビ類種苗放流技術高度化試験 |
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担当機関 | 愛知県水産試験場 |
研究期間 | 2010~2013 |
研究担当者 |
中核機関;愛知県水産試験場 共同機関;三重県水産研究所 共同機関;(独)水産総合研究センター 共同機関;(公財)愛知県水産業振興基金 共同機関;(公財)三重県水産振興事業団 共同機関;(株)日本総合科学 |
発行年度 | 2014 |
要約 | これまで事業レベルでの種苗生産では適用が難しかったクルマエビ類の人為催熟技術を実用化し、従来よりも放流時期を早めることで、放流種苗の年内漁獲における回収率の向上が図られることを明らかにした。また、放流効果調査の精度向上を図るため、クルマエビについてはすでに開発されている遺伝子標識技術を改良し、ヨシエビでは新たに遺伝子標識を開発した。 |
背景・ねらい | クルマエビとヨシエビはともに単価の高い沿岸漁業の重要種であるが、現在の漁獲量はクルマエビで最盛期の8分の1近くまで落ち込むなど、漁獲量を回復させるため栽培技術のさらなる高度化が求められている。そこで、より効果的、効率的な放流を図るため、早期採卵技術と遺伝子標識技術の開発を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1)クルマエビでは両眼除去ではなく片眼除去が成熟産卵誘発に適していること、ヨシエビでは両眼除去により産出卵を得られることを明らかにした。 2)クルマエビでは低水温飼育中のゴカイ給餌により産卵する個体が増えることを明らかにした。また、活ゴカイを無菌化するためゴカイと寒天を材料に新規の飼料を開発した。 3)クルマエビとヨシエビについて、親子判定が可能なマイクロサテライトDNAマーカーをそれぞれ7個と5個開発した。また、クルマエビのプライマーが、ヨシエビのミトコンドリアDNA D-loop領域を増幅可能であることを明らかにした。開発したクルマエビ7個、ヨシエビ5個のマイクロサテライトマーカーについて、同時にPCRができるマルチプレックスキット(最大同時4個)を作成し、クルマエビ、ヨシエビそれぞれ2回の増幅で検出できるようになった。 4)放流干潟において食害魚として最も多いのはヒメハゼであること、遺伝子標識を用いた追跡調査により、ヒメハゼの生息密度が少なく個体サイズが小さい春季の放流効果が高いことを明らかにした。 5)約1ヶ月間中間育成して放流サイズを大型化することで、混入率がヨシエビで7~8倍、クルマエビでは2~2.5倍程度向上していた。 |
成果の活用面・留意点 | 本研究成果は早期種苗生産だけでなく、天然成熟親エビの漁獲が少ない場合にも有効である。今後は、放流前の食害魚駆除や、低密度放流による食害の低減を検討する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4800&YEAR=2014 |
カテゴリ | 栽培技術 DNAマーカー |