ノトイスズミの春季における行動特性を把握

タイトル ノトイスズミの春季における行動特性を把握
担当機関 (独)水産総合研究センター 西海区水産研究所
研究期間 2010~2011
研究担当者 吉村 拓
清本節夫
八谷光介
発行年度 2014
要約 県内複数の消波堤において植食魚ノトイスズミの大型成魚が冬~春に蝟集することを見出し、春季には夕方に消波堤を離れて早朝に戻る日周期性を示すことや満潮時には潮間帯に相当する水深にも分布することを把握した。
背景・ねらい 九州沿岸域における藻場の衰退原因のひとつとして注目されている植食魚ノトイスズミには生態や行動に関する未解明な点が多い。藻場への影響評価や駆除策の開発に資する目的で、壱岐市和歌地先の消波堤において発見したノトイスズミ成魚約500尾の群れを対象に、春季の行動特性を把握した。
成果の内容・特徴 ・壱岐市の消波堤において2010年5月に約500尾の本種成魚の群れを発見した。潜水観察から、群れは12月中旬から5月中旬に見られることが明らかとなった。

・2012年4月15日に9尾(尾又長46~52 cm)に発信器を装着して放流し(図1左)、その後の受信結果(VEMCO社の設置型とフュージョン社の追跡型を併用)から以下を把握した。

1)4月中~5月中旬には、日中は消波堤付近に留まり、夜間に消波堤を離れ、翌早朝に再び消波堤に戻る日周期性を示した(図1右上)。夜間の受信のうち消波堤から最も遠いものは約2.8 km離れた地点におけるものであった。

2)5月中~6月においては、消波堤付近に留まることはなく、早朝に北上し、夕方に南下する行動パターンを繰り返した(図1右下)。

3)4月中~5月中旬における分布水深(DL基準)は-14.0~+2.0 m(図2)、平均-1.5 mと比較的浅く、満潮時には潮間帯に相当する水深にも分布(図3)し、ヒジキなどを採食している可能性が示唆された。
成果の活用面・留意点 ・消波堤を中心とする行動の周期性や移動時間が明らかとなり、索餌行動の解明や周辺藻場における採食圧軽減策としての除去(漁獲)の効率化に資すると期待される。

・5月中旬以降の行動範囲については受信範囲をより広くして調査する必要がある。
図表1 236836-1.jpg
図表2 236836-2.jpg
図表3 236836-3.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4801&YEAR=2014
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