北九州関門海域におけるマダコの成長と成熟に関する研究

タイトル 北九州関門海域におけるマダコの成長と成熟に関する研究
担当機関 福岡県水産海洋技術センター
研究期間 2007~2012
研究担当者 杉野 浩二郎
上田 拓
発行年度 2014
要約 北九州関門海域におけるマダコの成長及び成熟について新たな知見を得た。
背景・ねらい 北九州市関門海域のマダコは「関門海峡たこ」のブランド名で取り扱われ、地域の重要な漁業種となっている。しかし、当該海域におけるマダコの生態は不明な点が多く、資源管理上も有効な対策が確立されていなかった。そこで、関門海域のマダコ資源を持続的に利用するため、その成長、成熟に関する調査を行った。
成果の内容・特徴 1.成長

 2007年4月から2013年3月にかけて毎月1回、北九州市漁協平松支所のたこつぼ漁業で漁獲されたマダコの重量及び胴長を測定し、体長組成(図1)と成長曲線(図2)を得た。月別の体長組成及び成長曲線より、関門海域のマダコは春季発生群と秋季発生群の2群が存在することが明らかになった。

成長ロジスティック式は、

 春季発生群:Lt=12.90/(1+exp(-1.05sin(2π(t+1.57)/12-3.68+0.80t))

 秋季発生群:Lt=11.10/(1+exp(-1.17sin(2π(t+0.90)/12)-3.06+0.50t)

となり、最大外套腹面長は春季発生群が12.9cm、秋季発生群が11.1cmで、前者が後者より大型になることがわかった。

※Lt:月令t時の推定外套腹面長  t:月齢

2.成熟

 上記サンプルのうち、雌マダコの体重及び成熟度(GSI:生殖腺重量÷体重)から、GSIが上昇するのは400gを超えた個体が大半であると考えられた(図3)。また月別の卵重量の測定結果から、産卵のピークは春季発生群が3~5月で数ヶ月継続し、秋季発生群は9月に集中することがわかった(図4)。
成果の活用面・留意点 得られた知見をもとに、本県の漁業調整委員会では、成熟前の400g未満の個体について採捕を禁止する委員会指示を発動した。また、漁業者らは再生産を促すための産卵用たこつぼの効果をより高めるため、投入時期を産卵ピークの直前に設定した。
図表1 236841-1.jpg
図表2 236841-2.jpg
図表3 236841-3.jpg
図表4 236841-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4822&YEAR=2014
カテゴリ 成長曲線

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