タイトル |
トウモロコシとダイズの混作が乾燥ストレス軽減と生産性向上に寄与する |
担当機関 |
(独)国際農林水産業研究センター |
研究期間 |
2011~2015 |
研究担当者 |
辻本泰弘
飛田哲
大矢徹治
伊藤治
J.A. Pedro
G. Boina
M. V. Murracama
C.E. Cuambe
C. Martinho
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発行年度 |
2014 |
要約 |
モザンビーク北部の天水畑作地域において、現地に普及するトウモロコシ品種(Matuba) 2畝とダイズ品種(Olima) 3畝を交互に配置する混作体系を導入することにより、各作物を単作とするよりも生産性が15~49%向上し、その導入効果は乾燥ストレス条件下、もしくはトウモロコシへの窒素施肥量が少ない施肥条件下においてより大きくなる。
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キーワード |
モザンビーク、トウモロコシ、ダイズ、混作、乾燥ストレス、土地等価比率(LER)
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背景・ねらい |
モザンビーク北部の天水畑作地域では、新たな換金作物としてダイズの生産拡大が期待されている。一方で、地域の小規模農家にとっては自給作物であるトウモロコシの安定生産が不可欠である。そこで、これら二つの作物の混作体系を試み、単作に対する各作物の相対収量の総和である土地等価比率(以下、 LER)を指標として、異なる栽培環境および施肥条件における混作の有効性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 本成果では、モザンビーク北部に普及するトウモロコシの早生品種Matubaとダイズの中生品種Olimaを用いて、トウモロコシ2畝(畝幅80cm、株間20cm)とダイズ3畝(畝幅40cm、株間20cm)を交互に配置した混作体系を提示する。混作におけるトウモロコシおよびダイズの栽植密度は単作に対してそれぞれ3分の2および2分の1となる。
- 栽培環境およびトウモロコシへの窒素施肥量に関わらず、混作のLER値は単作に対して生産性が高いことを示す1以上の値(1.15~1.49)を安定的にとる。特に、生育期間中に長期の干ばつを受けたNampulaにおいてLER値が高い(表1)。
- 栽培環境および窒素施肥量に関わらず、混作されたトウモロコシは単作に比べて個体当りの生産性が大きくなるため、3分の2の栽植密度で75~86%の相対収量が維持される(表1)。
- 混作されたダイズは、隣接するトウモロコシ群落の遮蔽により蒸発散が抑制されるため、渇水期に群落下の土壌水分を維持し、生育への水ストレスの影響を軽減できる(図1、2)。
- GurueとLichingaの湿潤な栽培環境においては、窒素施肥によるトウモロコシ収量の増加にともない、混作されたダイズの相対収量およびLER値が低下する傾向をもつ(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- トウモロコシとダイズの混作は、干ばつリスクの高い、もしくは窒素施肥量の少ない圃場で特にその導入効果が高いことから、これらの栽培条件が広くみられるモザンビーク北部の天水畑作地域において、両作物を効率的に生産するための栽培法として期待できる。
- 本成果と異なる品種や栽植様式による混作の効果についてはさらに検討が必要である。
- 以下のWebサイトで、本成果の現地試験の様子、および、対象地域の農業生産に関する情報が得られる。
日経ビジネスONLINE:池上彰と歩く「アフリカビジネス:新参者ニッポンにチャンス」http://special.nikkeibp.co.jp/as/201207/africa/vol3/step3_p3.html - 本成果は、JICAからの受託事業「ナカラ回廊農業開発研究・技術移転能力向上プロジェクト」の実施により得られた成果である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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図表7 |
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図表8 |
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研究内容 |
http://www.jircas.affrc.go.jp/kankoubutsu/seika/seika2014/2014_A05.html
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カテゴリ |
乾燥
栽培条件
生産拡大
施肥
大豆
とうもろこし
品種
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