ブタにおける乳頭数の相関反応による繁殖形質の改良

タイトル ブタにおける乳頭数の相関反応による繁殖形質の改良
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2013~2014
研究担当者 佐藤正寛
大西知佳
発行年度 2014
要約 乳頭数の相関反応を利用することで、ブタの産子数や離乳頭数などの繁殖形質を選抜によってより効率的に改良することができる。
キーワード ブタ、乳頭数、産子数、離乳頭数、相関反応
背景・ねらい ブタにおける産子数等の繁殖形質と遺伝相関のある形質として、排卵数、睾丸サイズ、一腹総体重などが知られている。しかし、これらの形質は限性形質であることや、集団によって遺伝相関の大きさにばらつきがあることから、必ずしも高い相関反応を得ることができるとは限らない。一方、乳頭数は一般に遺伝率が高く、両性から記録を得ることのできる形質である。しかし、乳頭数と産子数や離乳頭数などの繁殖形質との遺伝相関についての報告は少ない。そこで、これらの遺伝的関連性を明らかにするとともに、乳頭数の記録を利用した相関反応による繁殖形質の改良の可能性について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 乳頭数と繁殖形質(総産子数、生存産子数、離乳頭数)との遺伝相関の推定値は、0.62から0.78であり、表型相関の推定値に比べて高い値が得られる(表1)。
  2. 繁殖形質を選抜によって改良する場合、乳頭数の相関反応による選抜(間接選抜)および乳頭数と繁殖形質の2形質による同時選抜は、繁殖形質の直接選抜と比べ、選抜の正確度がいずれの繁殖形質でも高くなる(表2)。
  3. 乳頭数の間接選抜および乳頭数と繁殖形質の同時選抜における遺伝的改良量の期待値は、繁殖形質の直接選抜と比べ、総産子数で4倍、生存産子数および離乳頭数で2.6から2.7倍高くなる(表2)。
  4. 乳頭数の遺伝率や繁殖形質との遺伝相関が本集団の1/2として期待改良量を算出しても、繁殖形質を直接選抜するよりも、間接選抜や同時選抜のほうが繁殖形質の遺伝的改良量は大きくなる。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究は、「デュロック種」の系統豚ユメサクラの結果であり、雌系品種や「デュロック種」の他の集団に適用するためには、適用する集団の遺伝的パラメーターを推定する必要がある。
  2. 遺伝的改良量の期待値は理想的な理論値であり、実際の選抜では2割から3割程度小さく見積もる必要がある。
図表1 237094-1.jpg
図表2 237094-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2014/nilgs14_s06.html
カテゴリ 繁殖性改善 品種

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