タイトル |
北海道東部太平洋海域へ来遊したスルメイカの体サイズと発生時期の経年変化 |
担当機関 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構釧路水産試験場 |
研究期間 |
2004~2015 |
研究担当者 |
佐藤充
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発行年度 |
2015 |
要約 |
スルメイカの資源変動機構解明に資するため、道東太平洋海域に来遊するイカの体サイズと発生時期の長期的なモニタリング結果をとりまとめた。体サイズの変化は来遊資源量の長期的な変化と同期しており、その時期がレジームシフトと一致していた。発生時期は11~4月であり、体サイズとの間には負の相関が見られたことから、体サイズの変化は発生時期の影響を強く受けていることが明らかとなった。
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背景・ねらい |
スルメイカは北海道東部太平洋海域(道東海域)における重要な水産資源である(図1)。その漁獲量は資源量変動に伴って長期的に大きな変動を示しており、本種の資源量変動のメカニズム解明が求められている。これまでの研究により、道東海域における漁獲量の大きな変動に伴う体サイズの変動が観察され、来遊群の発生時期が豊漁期と不漁期で異なっている可能性が示唆されている。そこで、本研究では道東海域に来遊したスルメイカの長期的な体サイズの変化と、その発生時期の経年変化を調べ、両者の関係について検討した。
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成果の内容・特徴 |
道東海域に来遊した資源量水準を示すと考えられるいか釣り漁船のCPUEは1965~1969年に最も高く、1970~1975年はこれに次ぐ水準、1976~1989年は低い水準、1990~2008年に再び高い水準となった(図2)。来遊水準が大きく変化した年は、概ねレジームシフトの発生時期と一致していた。平均外套長は1965~1973年が小型、1974~1984年が大型、1991~2008年が小型と長期的な変化があり(図3)、来遊資源量の水準変化に概ね対応していた。また、1999~2008年に採集されたスルメイカの発生時期から、平均外套長の変化は単なる成長の変動のみではなく、発生時期の変化に起因すると考えられた(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
本研究の結果により、スルメイカの資源変動機構に関して提唱されていた仮説(来遊資源水準の変化に発生時期の変化が関連する)の一つが検証された。また、今後、資源変動機構の解明に向けて行うべき研究内容について提唱することができた。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5092&YEAR=2015
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カテゴリ |
モニタリング
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