気象を加味した水温予測モデルの開発

タイトル 気象を加味した水温予測モデルの開発
担当機関 地方独立行政法人青森県産業技術センター
研究期間 2014~2018
研究担当者 高坂祐樹
発行年度 2015
要約 近年頻発する異常気象による高水温を予測するため、陸奥湾内に設置されている陸奥湾自動海況観測システム(以下ブイロボット)で観測されたデータと気象庁によるデータを用いて水温予測式を導いた。また別事業で開発された水温経験的予測モデルと組み合わせた「水温予測エンジン」を開発し、「海ナビ@あおもり」でリアルタイムに公開している。
背景・ねらい 2010年の異常高水温を受けて、3基のブイ(図1)の観測データを使用し水温経験的予測モデル(以下、経験的モデル)を開発した。しかし、2012年、2013年に発生した異常高水温はいずれも2010年とは異なるパターンであり、未経験の環境変動にも対応可能な新たな水温予測の必要性が生じた。本研究はブイロボットの観測データのほか、気象庁のデータとの複合的な解析による、これまで経験したことのない環境変動にも対応可能な「新・水温予測システム」(以下、気象モデル)を開発し、経験的モデルと併用しより精度の高い水温予測を行う。
成果の内容・特徴 気象モデルは、気温から表層水温、表層から下層へ熱が伝播し水温が変動するものと考え、対象要素の現在値に、対象要素に先立って変化する気温もしくは上層の水温、対象要素の平年値との重回帰分析である。(図2)

気象庁の青森の気温と東湾ブイの気温を2~8月の昇温期と9~3月の降温期にわけて単回帰分析をおこなったところ、ともに2次の回帰式が得られ、相関を表す決定係数は0.9873と0.9925と高かった。このため、気象庁の気温の予報から東湾ブイの気温の推定が可能となり、推定した東湾ブイの気温を用いてより未来の水温の予測を行えるようになった。

水温3ブイ4層分の12項目と東湾ブイ気温1項目の計13項目について、ExcelVBAマクロを用いて3,888通りの重回帰分析を行い、それぞれの回帰式(水温予測式)を得た。

重回帰分析により得られた気象モデルと経験的モデルの予測値を、気象の影響が大きかった2012年の7月~9月の実測値と比較したところ、特に8月中旬以降両モデル間で差が見られ気象モデルのほうの当てはまりが良かった(図3)。
成果の活用面・留意点 気象モデルと経験的モデルを併用した「水温予測エンジン」を開発し、そのシステムにより算出された水温予測値を「海ナビ@あおもり」でリアルタイムに発信している(図4)。
図表1 237497-1.jpg
図表2 237497-2.jpg
図表3 237497-3.jpg
図表4 237497-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5116&YEAR=2015
カテゴリ ロボット

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