シラス漁況と人工衛星情報による表層クロロフィルa濃度との関係

タイトル シラス漁況と人工衛星情報による表層クロロフィルa濃度との関係
担当機関 愛知県水産試験場
研究期間 2001~2015
研究担当者 加藤毅士
鵜嵜直文
澤田知希
中村元彦
発行年度 2015
要約 衛星データから読み取ったクロロフィルa濃度の変動とシラスCPUEの変動との関係を調べた。クロロフィルa濃度は欠測が多く、値のばらつきも大きいが、移動平均により数十日スケールの変動を把握することができる。CPUEの変動は概ねクロロフィルa濃度の変動に対応しており、衛星データがシラス漁況予測に有効であることがわかった。
背景・ねらい シラス漁況予測の精度向上を図り、漁業者の計画的な操業を推進するため、地球観測衛星AQUAに搭載されているセンサーMODISによるバイナリーデータ(JAXA、TSIC/TRIC提供)から海域毎にクロロフィルa濃度を読み取って、クロロフィルa濃度とシラスCPUEの変動を比較して関係を明らかにし、衛星データの漁況予測への利用を検討した。
成果の内容・特徴 クロロフィルa濃度は、海面が雲に覆われるとデータが得られないため欠測が多く、値のばらつきも大きいが、5日で移動平均を取ることにより数十日スケールの変動を把握することができた。

2013年のデータについてシラスCPUEとの関係を調べたところ、季節的にクロロフィルa濃度は春の昇温期と秋の混合期に高く、シラスCPUEも高かった。また、数十日スケールの変動に注目すると、シラスCPUEの変動はクロロフィルa濃度の変動に1~2週間遅れる傾向が見られた。ただし、海域によってはクロロフィルa濃度とシラスCPUEの変動に対応関係がみられない場合もあった。

クロロフィルa濃度の変動と水温分布図(JAFIC提供)で把握できる海況との関係を調べたところ、クロロフィルa濃度の数十日スケールの変動には、黒潮流路や黒潮内測域の冷水渦や暖水流入など海況の変化が影響していることがわかった。
成果の活用面・留意点 MODISによるバイナリーデータは、海域毎にクロロフィルa濃度の数十日スケールの変動を把握することができることから、シラス漁況の予測を始め、海域の生産性に関する研究に利用することができる。

シラス漁況予測の精度向上については、シラス漁況とクロロフィルa濃度や海況との関係が単純ではないことから、解析年数を増やし、クロロフィルa濃度とシラス漁況との関係及びクロロフィルa濃度の変動と海況との関係をさらに詳細に明らかにしていく必要がある。
図表1 237506-1.jpg
図表2 237506-2.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5032&YEAR=2015
カテゴリ ICT

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