長崎県北部沿岸海域におけるKarenia mikimotoi 赤潮の早期検出

タイトル 長崎県北部沿岸海域におけるKarenia mikimotoi 赤潮の早期検出
担当機関 長崎県総合水産試験場
研究期間 2013~2015
研究担当者 山砥稔文
発行年度 2015
要約 長崎県総合水産試験場では、平成27年度に長崎県北部沿岸海域において、直読式多項目水質計による鉛直観測とPAM蛍光光度計による光合成活性測定の組み合わせ調査を行い、Karenia mikimotoi赤潮を早期検出し、早めに養殖現場に注意喚起することで 、漁業被害の防止・軽減につなげた。
背景・ねらい 九州海域でKarenia属等有害赤潮が発生し、魚介類がへい死する漁業被害が頻発していることから、九州北部海域(長崎県北部)において、有害赤潮プランクトンKarenia mikimotoiについて、既存データの解析によって発生の傾向を解明するとともに、発生状況を広域的に監視することで、漁業被害を防止・軽減することをねらいとした。
成果の内容・特徴 ●過去データから、長崎県北部海域でのK. mikimotoi赤潮は、春夏季に佐世保湾や九十九島で初期発生した後、平戸方向に分布拡大する傾向が強いことが判明した。(図1)

●佐世保湾産のK. mikimotoi 培養株を確立し、細胞密度(cells/mL)と光合成活性(Fv/Fm)の経日変化を室内実験により明らかにした。(図2)

●H27年5月下旬~7月に、週1回、佐世保湾、九十九島、平戸(薄香・古江湾)で、鉛直観測と光合成活性測定の組合せ調査を行い、赤潮(500cells/mL以上と定義)の前段階にある本種出現を捉え、対数増殖期に相当する光合成活性値(0.64~0.7)を検知(図3)したことで、赤潮発生の4~7日前に赤潮形成の可能性があることを予測した。結果として、赤潮を早期検出し、早めの対策を講じたことで、漁業被害の防止・軽減につなげることができた。
成果の活用面・留意点 ●H27年に実施した長崎県北部沿岸海域におけるKarenia mikimotoi赤潮の早期検出方式によれば、今後も、本種の増殖、赤潮形成を早期検出できる可能性が高く、素早い対応(注意喚起、餌止実行、モニタリング強化)で被害の未然防止・軽減が図られると考えられる。

●また、この方式は他の海域や有害プランクトンの早期検出にも応用可能である。
図表1 237533-1.jpg
図表2 237533-2.jpg
図表3 237533-3.jpg
図表4 237533-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5191&YEAR=2015
カテゴリ モニタリング

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