オーエスキー病が養豚場の生産性に与える影響

タイトル オーエスキー病が養豚場の生産性に与える影響
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2011~2015
研究担当者 山根逸郎
山崎尚則
石関紗代子
発行年度 2015
要約 オーエスキー病ウイルス(ADV)陽性農場は陰性農場より離乳後死亡率が高く、出荷頭数、分娩回数、分娩率が低い傾向が認められる。ADVの撲滅の推進により、養豚農場の生産性の向上が期待される。
キーワード オーエスキー病、ベンチマーキング、PigINFO、生産成績、疫学調査
背景・ねらい オーエスキー病(AD)はオーエスキー病ウイルス(ADV)の感染に起因し、母豚の死流産、子豚の死亡や呼吸器症状などを引き起こす疾病である。農林水産省は2009年より新たなADV撲滅対策を策定し、地域区分ごとの清浄化対策を推進してきたが、2015年11月時点で10県において清浄化が達成されていない。ADV清浄化による養豚生産性の改善の情報提供は、ADV撲滅対策を遂行する上で重要な動機付けになる。今回、2011年1月時点でADVが浸潤している県の一貫経営の農場(n=48)を対象に、養豚の生産性評価システム(PigINFO)を活用して、ADV感染による養豚場の生産性への影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. ADV感染が生産性に与える影響の調査には、養豚農家の生産性を評価するベンチマーキングシステムPigINFOを応用できる。
  2. 市販の抗ADV野外株(gI)抗体を検出するELISAで調査した結果より、2011年の調査対象農場48戸のADV浸潤状況は、陰性農場が75%(36/48)、陽性農場が25%(12/48)である。
  3. 陰性農場と陽性農場の各種生産指標の平均値を比較すると、陽性農場において離乳後死亡率(%)が有意に高く(p<0.05)、出荷頭数(/母豚/年)、分娩回数(/年)、分娩率(%)で低い傾向が認められる(p<0.1)(表1)。
  4. 以上のことから、陽性農場においては、離乳後死亡率が高いため出荷頭数が減少し、分娩回数や分娩率で表される繁殖成績が低下することが考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:ADV陽性県の家畜衛生担当者と養豚農場
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:ADV陽性農場を有する県(平成27年11月5日時点で、10県:宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、宮崎県、鹿児島県)のADステータスIII(清浄化監視段階)以下のステータス区分である348の地域区分に属する農場
  3. その他:農林水産省は平成27年度までにAD病の清浄化を目標としている。AD病の清浄化を達成することにより養豚農場の生産性が向上し、ADワクチン接種の費用や手間が省け、国産豚肉に対する信頼性が確保できる。
図表1 237582-1.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2015/15_061.html
カテゴリ 経営管理 飼育技術 出荷調整 繁殖性改善

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