インプリンティング効果を考慮したゲノム情報に基づく遺伝的能力評価法の開発

タイトル インプリンティング効果を考慮したゲノム情報に基づく遺伝的能力評価法の開発
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2013~2015
研究担当者 西尾元秀
佐藤正寛
発行年度 2015
要約 遺伝子型値ベースおよび配偶子ベースにおいてインプリンティング効果を考慮するために開発した2つのゲノミックBLUP法は、全遺伝能力およびその分散成分の推定精度を向上させる。
キーワード ゲノム情報、インプリンティング効果、遺伝的能力評価、推定精度
背景・ねらい ゲノム上に存在する数万規模の1塩基多型(SNP)マーカーを用いて、家畜の遺伝的能力を評価するゲノミックBLUP(GBLUP)法が乳牛を中心に実用化されつつある。これまで豚の増体や牛の肉質等においてインプリンティング効果の関与が報告されているが、GBLUP法ではインプリンティング効果を考慮することができない。そこで、インプリンティング効果を考慮した新たなGBLUP法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. シミュレーションでは、SNPマーカー数および量的遺伝子座(QTL)数をそれぞれ10,000個および200個とする。200個のQTLのうち、60個がインプリンティングによって遺伝子が一部または完全に不活性化するものとする。
  2. GBLUP-I1法では遺伝子型値ベースで、GBLUP-I2法では配偶子ベースで全遺伝分散をそれぞれ3つの分散成分に分けて推定する。
  3. インプリンティングによる遺伝子不活性化の程度が大きいほど、2つのGBLUP-I法の全遺伝能力の推定精度はGBLUP法のそれよりも高くなる(表1)。特に、GBLUP-I1法では、遺伝子不活性化の程度に関わらず、GBLUP法よりも正確に分散成分および全遺伝能力を推定できる。
  4. 不活性化する遺伝子の由来はGBLUP-I1法の推定性能には影響しない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. インプリンティングによる遺伝子不活性化の程度が小さい、あるいは不活性化する遺伝子の由来が片親に偏っていない場合には、GBLUP-I2法よりもGBLUP-I1法を用いるのが望ましい。
  2. 育種価とインプリンティング効果の間に共分散が存在するため、2つのGBLUP-I法では育種価とインプリンティング効果を分離して推定することはできない。
図表1 237721-1.gif
図表2 237721-2.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2015/nilgs15_s10.html
カテゴリ 育種 乳牛 評価法

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