国際標準となった国産牛疫ワクチン

タイトル 国際標準となった国産牛疫ワクチン
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究期間 2013~2016
研究担当者 國保健浩
大橋傳
伊東伸宜
高松仁美
照井和哉
犬飼光子
馬場典子
佐田和浩
柏木由夏
小林秀樹
発行年度 2016
要約 農研機構のワクチン製造施設で作られる牛疫ワクチンが国際標準ワクチンとして国際機関に認定されています。
キーワード 牛疫、ワクチン、清浄性維持、国際貢献、高度弱毒株
背景・ねらい 牛疫は高い致死性と伝染力により世界で最も恐れられる反すう獣の悪性伝染病である。過去には世界中で発生が見られたが、国際機関を中心とする撲滅キャンペーンにより、2011年に世界的な根絶が達成されている。この根絶の過程で日本はワクチンの開発・改良を通じておもにアジア地域における牛疫の清浄化に貢献し、また、現在まで世界で唯一となる緊急備蓄用ワクチンの製造を継続している。この備蓄用牛疫ワクチンの製造には、牛疫に感受性の高い黒毛和種等に対しても安全に使えるウイルスとして動物衛生研究部門(旧家畜衛生試験場)において高度に弱毒化された牛疫ウイルス赤穂(あこう)株が用いられるが、この株の知名度は低く、未だ国際的な位置付けが定められていない。本研究では、国産ワクチンの製造用株である赤穂株の遺伝的性状を明らかにするとともに、その品質の安定性に関する試験を行い、国際標準のワクチン製造用株として国際獣疫事務局(OIE)マニュアルへの登録を目指す。
成果の内容・特徴
  1. 牛疫ワクチン赤穂株の全塩基配列を決定(DDBJ登録番号:LC057619)し、既知の牛疫ウイルスとの相違を明らかにしている(図1)。
  2. 上記の塩基配列情報ならびにこれまで当所が製造、備蓄してきた牛疫ワクチンの保管製品中のウイルス含有量の変化に関する試験成績、ワクチンの製造及び品質試験法等を添えてマニュアルの改訂案をOIEに提出した。
成果の活用面・留意点
  1. 2016年5月のOIE総会においてOIEマニュアルの改訂案の掲載が承認され、赤穂株が国際標準のワクチン製造用株として収録されている。
  2. 国際的な合意により、現在、牛疫ウイルスの取り扱いは厳しく制限されている。農研機構は国際的に認可された数少ない牛疫ウイルス保持施設の一つである。
  3. 国連食糧農業機関及びOIEが策定する緊急時対応計画における重要な防疫措置に位置づけられ、万一の発生に際して加盟国に提供される。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/niah/2016/16_043.html
カテゴリ 飼育技術

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