ピーマンでのジャガイモヒゲナガアブラムシ防除のためのギフアブラバチ利用技術

タイトル ピーマンでのジャガイモヒゲナガアブラムシ防除のためのギフアブラバチ利用技術
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門
研究期間 2011~2016
研究担当者 太田泉
武田光能
柿元一樹
松比良邦彦
井上栄明
大薗正史
妙楽崇
杖田浩二
野口忠久
北林聡
桑澤久仁厚
増澤高亨
清水徹
山崎あかね
山中聡
江口博美
中村善二郎
発行年度 2016
要約 ギフアブラバチは、施設栽培ピーマン等で発生するジャガイモヒゲナガアブラムシ防除のための生物農薬として利用できる。ギフアブラバチの利用法には成虫放飼法とバンカー法があり、バンカー法はジャガイモヒゲナガアブラムシの発生を継続的に抑制できる。
キーワード ギフアブラバチ、ジャガイモヒゲナガアブラムシ、ピーマン、バンカー法
背景・ねらい 近年、西日本の施設栽培ピーマンでは、ジャガイモヒゲナガアブラムシによる被害が顕在化している。現在、生物農薬として市販されている天敵類では、ジャガイモヒゲナガアブラムシに対して十分な防除効果が得られる事例は少ない。一方、土着天敵のギフアブラバチAphidius gifuensisは、ジャガイモヒゲナガアブラムシやモモアカアブラムシに寄生し増殖率も高いことから、ジャガイモヒゲナガアブラムシに対する防除効果が期待されている。そこで、ギフアブラバチを生物農薬として登録するとともに、本種を利用したジャガイモヒゲナガアブラムシの防除技術を開発する。また、ギフアブラバチの利用普及を図るため、本種の利用法等を解説したマニュアルを作成する。
成果の内容・特徴
  1. ギフアブラバチ(図1)は、大量増殖技術等を開発した後に、2016年1月20日に生物農薬として登録した(農林水産省登録第23771号、商品名ギフパール(R))。本製剤の適用害虫はアブラムシ類、適用作物は施設栽培のピーマン、とうがらし類、なすである。
  2. ギフアブラバチの利用法には「成虫放飼法」と「バンカー法」がある。成虫放飼法では、ジャガイモヒゲナガアブラムシの発生初期(ピーマンの被害株率1%以下)にギフアブラバチ成虫を250~500頭/10aの密度で2、3回放飼することで、ジャガイモヒゲナガアブラムシの被害抑制効果が得られる(図2)。ジャガイモヒゲナガアブラムシの発生量が多い場合には(被害株率概ね2%以上)、初めにギフアブラバチ等の天敵類に影響の少ない殺虫剤を散布してアブラムシの密度を低下させた後にギフアブラバチを放飼する。
  3. ギフアブラバチのバンカー法では、施設ほ場内にバンカー(図3)を設置した後でギフアブラバチを放飼する。バンカー上で増殖したギフアブラバチは、ピーマンに移動してジャガイモヒゲナガアブラムシの発生を抑制する。バンカーを1~2ヶ月ごとに更新してギフアブラバチを維持することで、ジャガイモヒゲナガアブラムシを継続的に抑制できる(図4)。バンカーを始めるために必要な資材は、「バンカー開始セット」(商品名ギフバンク)として発売されている。
  4. ギフアブラバチ利用技術マニュアルには、ギフアブラバチとジャガイモヒゲナガアブラムシの生態、ギフアブラバチの増殖法、各種農薬の影響、施設栽培ピーマンでの利用法が記載されている。また、甘長とうがらし、カラーピーマンで発生するモモアカアブラムシ防除へのギフアブラバチの利用法も紹介している。マニュアルはインターネット上でダウンロードできる(URLは発表論文等を参照)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象: 施設栽培ピーマン、とうがらし類、なすの生産者及び産地の普及指導機関
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等: おもに西日本の施設栽培ピーマン等120ha
  3. その他: ギフアブラバチで防除可能なアブラムシは、ジャガイモヒゲナガアブラムシとモモアカアブラムシである。その他の害虫アブラムシ類に対しては防除効果が得られない。ギフアブラバチの利用法、ギフアブラバチ利用技術マニュアルの内容に関する問い合わせ先は農研機構野菜花き研究部門、 ギフパール(R)、ギフバンクに関する問い合わせ先はアリスタライフサイエンス株式会社である。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nivfs/2016/16_060.html
カテゴリ 病害虫 害虫 カラー 施設栽培 とうがらし 土着天敵 なす 農薬 ばれいしょ ピーマン 防除

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