漁獲量重心の変動からみたブリ類の漁獲量変動

タイトル 漁獲量重心の変動からみたブリ類の漁獲量変動
担当機関 鹿児島県水産技術開発センター
研究期間 2012~2015
研究担当者 宍道弘敏
阪地英男
田 永軍
発行年度 2016
要約 全国と鹿児島県のブリ類漁獲量の長期変動の間には有意な負の相関関係が認められ、前者の増加(減少)から4年程度遅れて後者が減少(増加)する傾向が認められた。我が国周辺の中緯度域の海面水温が上昇すると漁獲量重心が北東方向へ移動する傾向が認められ、また漁獲量重心の変動はレジームシフトに対応しており、寒冷期には南西方向へ、温暖期には北東方向へ移動することが明らかになった。
背景・ねらい 1990年代以降の温暖レジーム下、とくに北日本でブリ類の漁獲量増加が報告される中、これまであまり注目されなかった分布の南縁部である鹿児島県海域における漁獲量の推移を整理し、全国の動向と比較した。 またブリ類漁獲量の重心を求め、その変動を把握すると共に、レジームシフト、海面水温変動および漁獲量変動との関係を調べた。 
成果の内容・特徴
  1. 過去119年分の漁獲統計資料をもとに全国と鹿児島県のブリ類漁獲量の長期変動の関係を調べた結果、両者の間には有意な負の相関関係が認められ、前者の増加(減少)から4年程度遅れて後者が減少(増加)する傾向が認められた(図1、2)。

  2. 我が国周辺の中緯度域の海面水温が上昇(低下)するとブリ類の漁獲量重心が北東方向(南西方向)へ移動する傾向が認められた(表1)。

  3. .漁獲量重心の変動はレジームシフトに対応しており、寒冷期には南西方向へ、温暖期には北東方向へ移動することが明らかになった(図3)。

  4. .水温環境の変化に対応したブリ資源の分布域の変化が、全国と鹿児島県の相反する漁獲量変動を引き起こしていると推察された。 
成果の活用面・留意点 本研究は、漁獲量重心の変動という概念を導入し、環境変動と資源変動の関係を表現することを試みた事例である。各県の位置を主要都市の緯度、経度によって代表させ、これと各県の漁獲量をもとに国勢調査における人口重心の算出方法と全く同じ式で漁獲量重心の緯度、経度を算出し、定量的に資源の変動を捉えることが可能である。本手法は汎用性が高く、容易に他の魚種に応用可能である。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6040&YEAR=2016
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