タイトル | 東京湾の沿岸浅海域における底質環境と底生生物の生息状況 |
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担当機関 | 千葉県水産総合研究センター |
研究期間 | 2011~2014 |
研究担当者 |
宇都康行 大畑聡 |
発行年度 | 2016 |
要約 | 東京湾で発生する貧酸素水塊が底質及び底生生物へ及ぼす影響を明らかにするため、内湾の沿岸浅海域を中心に調査を行った。湾奥部は東部に比べ泥分が多く還元的で、底生生物は東部の方が砂質を好む種が多く出現した。これらの基礎的情報が収集されたことで漁場改善方法の検討や評価が可能になった。 |
背景・ねらい | 東京湾の海底には多くの有機物が堆積しており、それらを分解する過程で多くの酸素が消費され、毎年貧酸素水塊が発生する。この貧酸素水塊は魚介類の生息に大きな影響を与えているが、底質や底生生物に与える影響は明らかでない。このため、今後の漁場環境改善手法の検討に必要な底質環境及び底生生物の状況を把握する。 |
成果の内容・特徴 | 1・2011~2015年に計116地点の底泥について、貧酸素水塊発生期(7~10月)と解消期(11~6月)の2期に分け底質を分析(硫化物、COD、強熱減量、含水比、ORP)した。 ・底質は貧酸素水塊の影響を大きく受けており、海域毎の底質の特徴を比較すると、湾奥は軟泥分がやや多く還元的、東部は軟泥分が少なく酸化的な環境であった(図1)。 2・2011~2015年に採泥による27地点と、底びき網(目合1.8cm)による26地点で生物採集し、全ての底生生物について調べた。 ・底生生物は水深10m以浅で多く出現し、湾奥は二枚貝類が、東部は二枚貝類、巻貝類、甲殻類及び多毛類が多くみられた(図2)。 ・東部は湾奥に比べ砂質を好む種が多く出現し、この結果は底質の特徴と一致した。 |
成果の活用面・留意点 | 漁場改善方法の検討や評価の基礎的な資料となり、貧酸素水塊分布予測システム及びGISシステムと併せることで、改善に向けた具体的な手法の提案が可能になる。 |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6020&YEAR=2016 |
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