アサリの増殖技術に関する研究

タイトル アサリの増殖技術に関する研究
担当機関 福岡県水産海洋技術センター
研究期間 2013~2015
研究担当者 大形 拓路
野副 滉
発行年度 2016
要約 研究所は、豊前海において漁獲が低迷しているアサリの資源回復を図るため、「かぐや装置」を考案し、稚貝の効率的な育成手法を検討した。当初、干潟用に作成した装置を、メンテナンスに適した漁港用に改良し、かつ低コスト化や効率化を追求しコンパクトな装置とした。収容する稚貝の密度やサイズ、育成時期等、効果的・効率的な要件を明らかにし、マニュアル化するとともに、漁業者への普及を行った。
背景・ねらい 全国有数のアサリ生産地であった豊前海では、昭和61年をピークに漁獲量が減少し、現在、きわめて低水準で推移している。 福岡県水産海洋技術センター豊前海研究所では、干潟の竹杭の中からアサリが偶然発見されたことを契機に、「かぐや装置」という新たなアサリ稚貝育成装置を考案し、この装置を用いた効率的なアサリ増殖手法について検討した。 
成果の内容・特徴 1.装置の設置場所・構造

当初、装置発案のきっかけとなった干潟をフィールドとして塩ビ管を用いた試験を行ったが、潮の干満によるメンテナンス上の制約や波浪による装置の破損等の問題が生じたため、漁港内での設置方式に切り替えた。また、塩ビ管のサイズ検討など、コンパクト化を図った結果、野菜カゴに収納した効率的な装置を開発することができた(図1)。

2.最適な稚貝の収容

装置への稚貝収容密度を検討したところ、2,000個/筒で生残が良く、かつ成長も良好(1→10mm:約2ヶ月)であった(図2)。また、投入サイズは、殻長0.5mmでも良好な成績を収め、初期の陸上飼育の負担軽減につながる結果となった(図3)。

以上の成果をもとに、完成したかぐや装置による生産稚貝のコストを試算したところ、殻長10mm稚貝1個あたり0.1円程度となり、従来の陸上生産と比較しコストが大幅に低減された(表1)。 
成果の活用面・留意点 研究所では、「かぐや装置」に関する一連の成果をマニュアルに取りまとめ、豊前海区の各漁協へ配布するとともに、技術指導を行い、現在5漁協8支所が取り組んでいる。また、本県他海区や他県から多くの視察を受け入れ、可能な限りのアドバイスを行っている。現在、県では、開発された「かぐや装置」を筑前海や有明海へ導入するとともに、育成した稚貝を干潟へ放流し親貝まで育てるための技術開発に着手しており、これらの成果をアサリの資源回復につなげたいと考えている。 
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6125&YEAR=2016
カテゴリ コスト 低コスト

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