印旛沼における魚介類のヒメガマ群落の利用

タイトル 印旛沼における魚介類のヒメガマ群落の利用
担当機関 千葉県水産総合研究センター
研究期間 2010~2014
研究担当者 金子昇平
発行年度 2016
要約 印旛沼に広く分布している抽水植物であるヒメガマ群落における魚介類の生息状況を周年にわたり調査した。同沼の水産資源であるモツゴやエビ類は、ヒメガマ群落を成育場として利用していることを明らかにした。
背景・ねらい 湖沼など内陸の水辺域では、魚介類と水生植物は密接な関係があり、琵琶湖や霞ヶ浦・北浦では、抽水植物であるヨシの群落を魚類の成育場として利用していることが報告されている。

 ヒメガマ(図1)は、日本各地に広く分布する在来の抽水植物であり、印旛沼でも調査記録がある1947年以降、継続して群落を形成している。そこで、魚介類のヒメガマ群落の利用実態を明らかにすることを目的に、平成23年10月から平成27年3月まで周年、印旛沼で調査を行った。
成果の内容・特徴
1 ヒメガマ群落は、その沖側の沼内より魚類は8~11倍、エビ類は2~7倍生息密度が高く、これらの生息密度は、ヒメガマが繁茂する7月又は8月に最高となった(図2)。
 
2 モツゴは、5月に全長10~15mmでヒメガマ群落に現れ、10月に全長50mm程度に成長していた(図3)。
 
3 テナガエビは、6~7月に全長10mm程度でヒメガマ群落に現れ、翌年3月に全長30mm程度に成長していた(図4)。
 
4 スジエビは、6月に全長10~15mmでヒメガマ群落に現れ、10~11月に全長30mm程度に成長していた。
 
5 これらのことから、印旛沼の水産資源であるモツゴやエビ類は、ヒメガマ群落を成育場として利用していることが明らかになった。
 
成果の活用面・留意点 (活用面) 

ヒメガマ群落は、平成28年度も印旛沼で広く分布し、拡大傾向にあることから、安定性の高い植生帯と推察され、ヒメガマ群落の整備は、湖沼における稚仔魚の成育場造成の一手法となる。

(留意点) 

ヒメガマ群落では魚類の産着卵が確認されなかったことから、魚類が産卵場として利用する可能性は低いと考えられた。
 
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6021&YEAR=2016
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