中国茶の含水率と水分活性

タイトル 中国茶の含水率と水分活性
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究期間 2012~2016
研究担当者 池田奈実子
渡瀬隆也
発行年度 2016
要約 中国茶の茶種別の含水率の平均値は7%以上で、茶種間に差が認められ、白茶、黒茶が高い。白茶、黒茶とも含水率は8%から12%に分布しているが、水分活性は黒茶の方が小さい。大部分の中国茶の水分活性は0.65以下で、微生物が繁殖できない水準である。
キーワード チャ、中国茶、含水率、水分活性
背景・ねらい 近年、日本の茶生産は蒸し製緑茶が大部分であったが、チャ品種「べにふうき」の用途の変更や、二番茶、三番茶価格の低迷で、紅茶、半発酵茶の生産が増加している。さらに微生物制御発酵茶のような新たな茶生産も行われている。茶は乾物で含水率を低下させて保存性を高めるが、適正な含水率は茶種によって異なる。また、茶は重量で取引されるため、含水率を下げ過ぎると収量性が低下する。含水率とともに、水の存在状態を示す水分活性も食品の保存には重要である。茶種が多様な中国茶の含水率及び水分活性を分析することによって、茶種ごとの適正な値について知見を得る。
成果の内容・特徴
  1. 中国茶の含水率は茶種間で差が認められる。白茶、黒茶の含水率の平均値は、青茶、緑茶、紅茶の含水率の平均値より高く、10%以上である。中国茶の紅茶の含水率の平均値は8.73%である。南アジアや日本産の紅茶の含水率の平均値は約7%でそれより高い。青茶の含水率はばらつきが大きい(表1)。
  2. 中国茶の水分活性は茶種間で差が認められる。白茶の水分活性の平均値は、青茶、紅茶より高い。青茶の水分活性はばらつきが大きく、白茶の水分活性はばらつきが小さい(表2)。
  3. 中国茶の含水率と水分活性の間の相関係数は、青茶、紅茶、黒茶は1%水準で、緑茶は5%水準で、正の相関関係が認められ、これらの茶種では、含水率が多くなるほど、水分活性が高くなる傾向が認められる。白茶と黒茶は、含水率は大部分が8-12%の間に分布するが、水分活性は白茶の大部分が0.55~0.65の間に分布するのに対して、黒茶は0.40~0.60に分布し、白茶より水分活性が低く、分布の幅が大きい (図1)。
  4. 大部分の中国茶の水分活性は0.65以下であるので、微生物が繁殖できない水準(0.72程度)以下である。
成果の活用面・留意点
  1. 日本で紅茶、半発酵茶、微生物発酵茶を製造する場合の参考になる。
  2. 中国茶は、陳椽(1979)の分類にしたがって、分類した。
  3. 含水率の測定には中国産118点、台湾産56点の茶を用いた。水分活性の測定には中国産63点、台湾産46点の茶を用いた。試料はすべてリーフティーでティーバッグは用いなかった。試料のほとんどは上級茶である。含水率は、試料を粉砕せずに、約5gを秤量瓶に入れて、105°Cで48時間加熱し、加熱前と加熱後の重量差から湿量基準の含水率を求めた。
  4. 水分活性値は自由水の割合を示す値である。水分活性の測定は、ノバシーナ社水分活性測定装置Lab-MASTER-aw及びLab-Swift-awを用いて行った。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2016/nifts16_s22.html
カテゴリ 繁殖性改善 品種

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