カンキツ主要果実形質の環境変異の特徴と効率的な評価方法

タイトル カンキツ主要果実形質の環境変異の特徴と効率的な評価方法
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究期間 2012~2016
研究担当者 濱田宏子
野中圭介
吉岡照高
山田昌彦
発行年度 2016
要約 年次間分散が大きい果実重および糖度は、樹数より年次数を増やして評価すること、年次間分散と樹内果実間分散が大きい剥皮性およびじょうのう膜の硬軟は、樹数より年次数と1樹内果実数を増やして評価することにより、効率的に遺伝特性が把握できる。
キーワード カンキツ育種、果実形質、広義の遺伝率
背景・ねらい カンキツ育種の果実形質評価では年次間、樹間、果実間の環境変異の特徴を把握し、遺伝特性を正確かつ効率的に得ることが重要である。本研究では、カンキツ育種に多く用いられているマンダリンタイプの20品種を用い、果実重、剥皮性、じょうのう膜の硬軟、糖度、酸含量の評価値から各環境分散を推定し、広義の遺伝率を比較することにより、各形質の環境変異の特徴と効率的な評価方法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 果実重および糖度は各環境分散のうち年次を要因とする環境分散が最も大きく、剥皮性およびじょうのう膜の硬軟は樹内果実間を要因とする環境分散が最も大きいが、いずれの形質においても樹間を要因とする環境分散は小さい(表1)。
  2. 1樹から1果の果実を1年次評価した場合の広義の遺伝率は高い方から酸含量、剥皮性、糖度、果実重、じょうのう膜の硬軟である。いずれの果実形質においても、樹数を増やすより年次数を増やすことで効率的に広義の遺伝率を高くできる。また、剥皮性およびじょうのう膜の硬軟では年次数に加えて1樹あたりの果実を5果程度に増やすことで効率的に広義の遺伝率を高くできる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究は効率的な果実形質の評価だけでなく、より正確な遺伝子型値のデータを要するQTL解析などの遺伝解析に役立つ。
  2. 本研究では成熟期の異なる品種を育種上果実形質評価の主要時期である12月中旬に一斉に収穫・評価した値を分析に用いたため、異なる時期の評価値を用いた場合、結果が異なる可能性がある。
  3. 本研究は幅広い遺伝的背景をもつカンキツ類のうちマンダリンタイプの集団について通常の栽培管理のもとで行われたものであるため、ブンタンなどを含む別の集団、あるいは密植などの特殊な栽培条件のもとでは結果が異なる可能性がある。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2016/nifts16_s02.html
カテゴリ 育種 栽培技術 栽培条件 品種 ぶんたん その他のかんきつ

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