タイトル |
茶殻・コーヒー滓に二価鉄を保持させた新しい殺菌用資材 |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門 |
研究期間 |
2014~2016 |
研究担当者 |
森川クラウジオ健治
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発行年度 |
2016 |
要約 |
破砕した茶殻あるいはコーヒー滓に鉄塩水溶液を添加し、その場でポリフェノール類と二価鉄の錯体を生成させる。これに過酸化水素を加えて発生させた多量のヒドロキシルラジカルを用いると化学物質の分解や病原菌の死滅が実現できる。
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キーワード |
茶殻、コーヒー滓、鉄塩、過酸化水素、殺菌
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背景・ねらい |
近年、食中毒は世界的に大きな問題となっている。2015年度に国内で発生した食中毒事件は1202件であり、そのうちの431件が細菌によるものとされ、患者数も22718人に上る(食中毒統計、厚生労働省)。また、アメリカでは7000万人以上の食中毒が発生しており、新たな殺菌技術の開発が求められている(米国疾病管理予防センター)。食品の殺菌に最もよく使われている塩素系殺菌剤は殺菌後に塩素臭が残るなどの欠点がある。一方、オゾン殺菌方法は装置の導入コストが高いなどの問題がある。本研究では茶殻やコーヒー滓に鉄塩(塩化第一鉄、硫酸第一鉄等)水溶液を添加することにより、ポリフェノール類を抽出すると同時に安定な二価鉄錯体を生成させる。その二価鉄鉄錯体により過酸化水素を還元してヒドロキシラジカルを発生させることにより、強力な殺菌・分解力のある新しい技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 清涼飲料工場等で排出される茶殻およびコーヒー滓を活用する。
- 茶殻およびコーヒー滓から抽出されるポリフェノール類を、食品添加物の鉄塩水溶液と反応させて、安定な二価鉄錯体を含む溶液もしくは二価鉄錯体を含浸する破砕固体状の茶殻およびコーヒー滓(茶鉄およびコーヒー鉄)を生成する。
- 茶鉄およびコーヒー鉄、もしくはそれらから溶出した水溶液を過酸化水素水と反応させることで多量にヒドロキシラジカルを発生させることができる(図1)。
- その発生量は、塩化第一鉄または硫酸第一鉄を用いた場合よりも多く持続的である(図1)。
- 茶鉄およびコーヒー鉄と過酸化水素の反応で発生するヒドロキシルラジカルは大腸菌(Escherichia coli)のコロニー数を検出限界以下に低減できる(図2)。
- 茶鉄およびコーヒー鉄と過酸化水素の反応で発生するヒドロキシルラジカルによってメチレンブルーが分解する(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 未活用な廃棄物が有効利用され、かつ資材費用の低減も見込まれる。
- 鉄塩は簡単に沈殿するので繰り返し利用ができない。茶鉄およびコーヒー鉄の二価鉄は安定しており繰り返し利用が可能である。
- 新技術では塩素残留の懸念は無い。
- 本研究で得た結果を、カット野菜、スプラウトやもやし等、実際の食品の殺菌に応用するためには、さらなる検討が必要である。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nivfs/2016/nivfs16_s13.html
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カテゴリ |
コスト
茶
もやし
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