地下灌漑システムOPSISを用いたホウレンソウの灌水技術

タイトル 地下灌漑システムOPSISを用いたホウレンソウの灌水技術
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門
研究期間 2016~2017
研究担当者 佐々木英和
栗山淳
髙橋徳
発行年度 2017
要約 淡色黒ボク土において、地下に埋設した遮水シート溝式地下灌漑システムを用いてホウレンソウを栽培する場合、灌水開始目安は地下20cmの土壌水分pF値2.2、1回あたり灌水量を15t/10aとして灌水すると、ホウレンソウの生育が優れる。
キーワード OPSIS、給水、地下灌漑、土壌水分、ホウレンソウ
背景・ねらい 露地圃場で栽培されることが多い葉根菜類の生産では、天候による影響を受けやすく、少雨や干ばつ時には、生育の遅延や収量の減少、品質の低下が引き起こされる。こうした問題に対して、耕作時や機械作業時の障害とならず、また、移動・再設置労力の必要もない地下灌漑システム(OPSIS)が開発された。その普及のため、野菜品目ごとに、栽培地域や作型にあわせた活用技術の確立が求められている。
季節に応じた幅広い作型で栽培されるホウレンソウ露地栽培においても、土壌水分の確保が生産上の大きな課題となる。また、ホウレンソウはビニルハウスでの施設栽培や雨よけ栽培も盛んに行われており、そこでの水分管理技術の確立も重要である。そこで、地下灌漑システムの活用によるホウレンソウの安定生産技術の開発を目指し、灌水目安とする土壌水分、1回あたりの灌水量について、ホウレンソウ栽培に適した灌水基準を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 灌水開始目安は、地下20cmの土壌水分吸引圧(pF値)2.2である(図1)。その場合のホウレンソウの生育は、同程度のpF値での地上散水管理した地上散水よりも優れる。
  2. ホウレンソウの生育に最適な地下灌漑による1回あたり灌水量は、15t/10aである(図2)。
  3. 地下灌漑システムOPSISは、溝状にした遮水シートの上に防根シートで巻いた内径5cmのポリエチレン製有孔管を重ねて埋設する遮水シート溝式地下灌漑システムであるが、ホウレンソウの畝幅・間隔に対応し150cm間隔とする(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、つくば市観音台にある農研機構野菜花き研究部門の雨よけパイプハウス内における淡色黒ボク土壌での春・秋作の結果である。ホウレンソウ「クロノス」を2016年9月20日、「ジャスティス」を2017年4月17日に播種、それぞれ2016年11月1日,2017年6月2日に収穫調査した結果に基づく。なお、品種、地域、土壌の種類、作型や気象環境によって、ホウレンソウの生育は変わるため、条件の微修正は必要である。
  2. 本灌水条件を用いた、宮城県における砂質土壌でのビニルハウス栽培でも、良好な結果を得られている。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nivfs/2017/nivfs17_s01.html
カテゴリ 管理技術 施設栽培 播種 品種 ほうれんそう 水管理

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