野菜害虫発生予察用フェロモントラップに混入する非標的チョウ目昆虫識別の手引

タイトル 野菜害虫発生予察用フェロモントラップに混入する非標的チョウ目昆虫識別の手引
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門
研究期間 2008~2017
研究担当者 河野勝行
飯田博之
武田光能
本多健一郎
発行年度 2017
要約 オオタバコガ、タバコガ、タマナギンウワバ、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、コナガの発生予察用フェロモン剤に誘引される非標的チョウ目昆虫を、写真と見比べて標的種から識別するための手引である。参考情報として生態等に関する解説がある。
キーワード チョウ目昆虫、発生予察、フェロモン剤、非標的種、形態識別
背景・ねらい 市販のフェロモン剤には、特定の害虫種(以下、標的種)を誘引する機能があり、都道府県が実施している害虫発生予察に広く利用されている。しかし、フェロモン剤には、標的種以外の昆虫(以下、非標的種)も特異的に誘引されることが明らかになってきている。発生予察調査の担当者は、必ずしも昆虫種の識別に関して十分な知識と経験を持っているとは限らず、フェロモントラップに非標的種が捕獲された場合には、非標的種を標的種と誤認する危険性があるため、その対策が必要である。
そこで、野菜類を加害するオオタバコガ、タバコガ、タマナギンウワバ、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、コナガについて、各フェロモン剤に特異的に誘引される非標的種を解説した手引を作成し、標的種と非標的種を容易に識別することを可能にする。
成果の内容・特徴
  1. 本手引は、オオタバコガ、タバコガ、タマナギンウワバ、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、コナガの発生予察用フェロモン剤に特異的に誘引される非標的チョウ目昆虫を標的種から識別するためのもので、インターネット上で公開されており、自由にダウンロードできるようになっている。
  2. 第I章では、この手引を作成した背景と手引の使用法を解説している
  3. 第II章では、オオタバコガ、タバコガ、タマナギンウワバ、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、コナガの発生予察用フェロモン剤を取り付けた粘着板トラップを野外に設置して、実際に捕獲された状態の標的種と非標的種の写真を掲載している。互いに見比べやすいように同一の図版に配置している(図1)ので、写真を見比べて同定する。
  4. 第III章では、それぞれのフェロモン剤に特異的に誘引される非標的種の種類相の特徴を解説し、特に標的種と似た色彩で大きさが同程度で発生時期が重なるために誤認されやすい非標的種については、より詳しい解説が加えてある(図2)。さらに、特異的に誘引される種それぞれのトラップに捕獲された状態や標本の写真とともに、形態の詳細、地理的分布、捕獲時期等に関する解説を加えてある(図3)ので、第II章の図版のみで同定できない場合には、それを参考にして同定の精度を高める。
  5. 付録として、「各種チョウ目野菜害虫発生予察用フェロモン剤に誘引されるチョウ目昆虫一覧」、「各種チョウ目野菜害虫発生予察用フェロモン剤の構成成分」、「各種チョウ目野菜害虫発生予察用フェロモン剤とトラップ」がまとめられている。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:オオタバコガ、タバコガ、タマナギンウワバ、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、コナガを発生予察の対象としている都道府県の発生予察担当者および独自にこれらの種の発生予察を行おうとする生産者等。印刷版を作成し、関係機関に配布した。
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国
  3. その他:三重県の低地で実施したトラップ調査のデータが示されているので、緯度や標高が異なる場合は捕獲時期が異なる可能性がある。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/popular/result110/2017/17_081.html
カテゴリ 害虫 フェロモン

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