タイトル | ワカメ幼芽の中には高水温でも生育できるものがある |
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担当機関 | 宮城県水産技術総合センター |
研究期間 | 2014~2016 |
研究担当者 |
押野 明夫 |
発行年度 | 2017 |
要約 | ワカメの幼芽は通常水温23℃以上の高水温や硝酸塩濃度20μg/L 以下の低栄養条件で採苗糸から脱落しやすいとされているが、震災前からの保存ワカメ配偶体のうち日本海沿岸原産の2系統から発生した幼芽は26℃の高温でも生育することを再確認したほか、震災後採集した地元天然ワカメ1系統の幼芽も同様に高温で生育可能であることが新たに確認された。 |
背景・ねらい | 宮城県は沿岸養殖が盛んであり、中でも藻類養殖についてはノリ、ワカメ、コンブを中心として全国的に屈指の生産実績があったが、東日本大震災により大きな被害を受けた。震災後は水産養殖業の復旧・復興策により再建が順次進められてきた。 震災後も養殖ワカメに対する生産者の依存度は宮城県の北・中・南部地域とも高く、葉に厚みがあって柔らかく、個体当たりの葉の収量が多い優良品種やメカブ(胞子葉)収量の多い品種の開発も生産現場から求められている。このような背景から選抜育種や異品種の交配によってさまざまな特長を持つ新しい品種の開発に努める必要がある。また、今後の環境変動を考慮し、高水温や低栄養塩濃度、病障害等への耐性を持つ品種・系統を探ることも長期的には必要であり、特に高水温や低栄養塩濃度によるワカメの芽落ち、生育不良および色落ち等の事象についての対策方法についても引き続き検討することが重要である。
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成果の内容・特徴 |
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成果の活用面・留意点 | 普及に当たっては、それぞれの系統や交配種の養殖試験を実施して収量・品質のデータを蓄積すると共に、必要に応じて優良な個体の選抜を繰り返していく必要がある。
ワカメ養殖漁場の秋季の表面水温は高水温化の傾向にあるが、ワカメ種苗の沖出し時期を早めることが出来れば養殖期間の拡大につながり、収穫量の増加が期待出来る。 |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7113&YEAR=2017 |
カテゴリ | 育種 品種 |