タイトル | 青森県周辺海域におけるキアンコウの年齢査定と性判別 |
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担当機関 | 地方独立行政法人青森県産業技術センター |
研究期間 | 2016~2020 |
研究担当者 |
竹谷裕平 高津哲也 山中智之 柴田泰宙 中屋光裕 |
発行年度 | 2017 |
要約 | 青森県周辺海域におけるキアンコウの買付け・解剖を要しない年齢査定と性判別の手法を検証した。年齢査定は、背鰭第一棘の付け根付近横断面のエッチング処理やメチレンブルー染色等の手法を併用して、脊椎骨によるものよりも読み取り誤差を小さく実施することができた。性判別は、全長(TL)-瘤状鼻管幅間の雌雄別回帰式の±20%の範囲で判定して、≧400 mm TLで正答率93%以上で実施することができた。 |
背景・ねらい | キアンコウLophius litulonの主たる漁場である青森県周辺海域を対象に、試料魚の買い付け・解剖を要しない年齢査定と性判別の手法を検証した。 |
成果の内容・特徴 | 背鰭第一棘による年齢査定法を検証した。背鰭第一棘の付け根付近の横断面をエッチング処理後、メチレンブルー染色、実体顕微鏡下で落射光と透過光の両者による比較観察することにより、不透明帯数の読み取り精度が向上した(図1)。同横断面には、1年に2本の不透明帯(主に産卵期にあたる6月と冬季の11-12月)が形成されていた。この年齢査定は脊椎骨によるものよりも読み取り誤差が小さく(表1)、標識放流魚の成長追跡結果と類似したことから(図2)、優れた年齢査定法と判断した。
瘤状鼻管幅の性的二型を利用した性判別法の精度を検証した。キアンコウの全長-瘤状鼻管幅間の雌雄別回帰式の±20%の範囲で性判別した正答率は、400-899 mm TLで93.0-96.0%、≧900 mmで100%を示し、400 mm以上で実用的な性判別法と判断した(図3)。 以上の技術を併用すれば、試料魚を買い付け・解剖する必要なく、購入費用を節約して、資源解析に大量のデータを供することができ、本種の迅速な資源管理の実施への貢献が期待される。 |
成果の活用面・留意点 | 本成果を他海域で活用する場合、背鰭第一棘の横断面における不透明帯形成の年周期性は、生息海域による産卵期の違いを青森県周辺海域と比較し、1年に1本または2本形成されるのかを事前に検証する必要がある。 |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7065&YEAR=2017 |
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