まき網漁業の経営改善に関する研究

タイトル まき網漁業の経営改善に関する研究
担当機関 福岡県水産海洋技術センター
研究期間 2013~2015
研究担当者 中原秀人
発行年度 2017
要約 ・福岡県のまき網船団は、船団同士で競争意識が強く競い合って操業していたため、非効率な操業となっていた。鐘崎地区の3船団について、運搬船の減船と操業の再編を行った。その結果、燃油量が1船団あたり18%削減されるとともに、操業時間が短縮され、労働力の軽減につながった。再編前と比べ水揚げが低くても利益が確保できる、効率の良い経営へ移行できた。
背景・ねらい 福岡県では、現在7統のまき網船団が操業している。本県におけるまき網漁業は、これまで船団同士で競い合って操業していた。このため、船団それぞれが魚群を探し、市場への入荷状況を考慮せずにできるだけ多く漁獲し、船団ごとに魚を運搬するなど、情報の収集や共有、漁獲物の運搬で非効率的な部分があった。

本研究では、宗像市鐘崎地区の3船団について運搬船の減船と共同操業を内容とする操業再編により経営改善に取組み効果を検証した。
成果の内容・特徴 1.操業再編案の検討

対象の中型まき網3船団の各船団は網船、探索船、灯船が各1隻、運搬船4隻の7隻で構成されてる。当センターと各船団との協議の結果、運搬船の減船と共同操業(魚群の共同探索、売上金の均等配分と出荷販売費用の均等負担)による操業再編を実施した。(図1)

2.燃油削減効果

運搬船4隻のうち1隻を減船することで燃油量が13%減少し、また共同操業では単独操業より5%減少した。両者を合わせた全体の効果では、燃油量が18%、燃油費を756万円の削減となった。(表1)

3.労働時間の短縮効果

共同操業により、効率的な探索、情報の共有、市場価格が下落しないよう調整した操業が可能になった。その結果、単独操業より投網回数が減少、操業時間が短縮し、労働時間の軽減が図られた。(図2)

4.経営改善効果

操業再編の前と後で、損益分岐点(収入と支出が均衡する売上高)を算出すると、再編前が27,128万円、再編後が22,875万円であった。操業再編によって売上が再編前より4,253万円(16%)低くても利益が確保できる、効率の良い経営へ移行することができた。(図3)
成果の活用面・留意点 今後は、操業再編を継続的に行うことに加え、水揚作業や選別作業などの共同化の範囲を拡げることで、一層の効率化、低コスト化を図る。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7027&YEAR=2017
カテゴリ 経営管理 出荷調整 低コスト

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