人工採苗技術を用いたトサカノリ増殖技術の開発

タイトル 人工採苗技術を用いたトサカノリ増殖技術の開発
担当機関 東京都島しょ農林水産総合センター 
研究期間 2015~2017
研究担当者 早川浩一
発行年度 2017
要約 伊豆諸島の有用海藻であるトサカノリの効率的な人工採苗方法を開発した。また、人工種苗を天然海域へ移植することを目的に、胞子が着生しやすい基質について検討し、移植実験を行った。
背景・ねらい 伊豆諸島に広く分布するトサカノリは、都の島しょ地域の重要な漁業資源となっている。しかし、漁場や現存量が年により異なるなど、資源変動が大きい。そこで、これまで東京都島しょ農林水産総合センターで培ってきた海藻の人工採苗技術を応用し、トサカノリ資源の増殖技術を開発した。
成果の内容・特徴 1. 効率的な採苗方法の開発
 洗浄を行ったトサカノリ成熟藻体から胞子を塊状に集め、滅菌海水を用いて胞子液を調整し、基質に着生させる採苗方法(胞子液採苗)を確立した。従来の方法(藻体から直接スライドグラスに胞子を着生させる)と比較し、スライドグラスに胞子を均一に着生させることができた(図1)。

2. 種苗の生長に適した環境条件の把握
 人工採苗により得た胞子をそれぞれ異なる水温で培養した結果、四分胞子および果胞子ともに24℃で最も良い生長が認められた(図2)。また、通気条件および容器の種類を変え培養実験を行った結果、培養開始早期(採苗後60日前後まで)に通気を行うことで生長が良くなる傾向が確認された。

3. 胞子が着生しやすい基質の検討
 胞子液採苗を行い、数種の基質への着生実験を実施した。採苗後約40日目に肉眼で確認できた1cm2あたりの種苗数が最も多かったのは天然石(10.3個)であった(表1)。さらに、この種苗が着生した基質を天然海域へ移植した結果、藻体は藻長20cm以上に生長し、成熟することも確認した(図3)。
成果の活用面・留意点 胞子液採苗により、様々な基質にトサカノリ胞子を均一に着生させることができた。今後は、これら種苗を着生させた基質や生産した種苗を天然海域へ効率よく移植する方法を検討し、増殖技術の確立を目指す。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7092&YEAR=2017
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