アフリカ小農支援のための農業経営計画モデル

タイトル アフリカ小農支援のための農業経営計画モデル
担当機関 (国研)国際農林水産業研究センター
研究期間 2013~2018
研究担当者 小出 淳司
山田 隆一
大石 亘
Nhantumbo Amancio
Salegua Venancio
Sumila Cassamo
発行年度 2018
要約 アフリカ小農の技術普及や生計向上を目的として、小農の技術水準、生計戦略などを反映した農業経営計画モデルを構築し、所得を最大化する作付体系や技術導入規模を特定する。
キーワード 線形計画法, 最適作付体系, 技術導入規模, 所得増大効果, プログラム
背景・ねらい サハラ以南アフリカの農業経営は、経営面積数ヘクタール(ha)の小規模家族経営(小農)が大多数であり、食料安全保障や所得向上を妨げる問題に数多く直面している。個別の問題解決に向けた技術開発や政策研究が進展する一方で、小農が実際に導入可能な経営改善策の解明は進んでおらず、現場の技術普及や生計向上の具体的道筋は判然としていない。そこで現地の普及員等が利用可能なアフリカ小農支援のための農業経営計画モデルを構築し、適用を図る。
成果の内容・特徴
  1. 構築された農業経営計画モデルは、営農条件(経営面積、自家労働者数、労賃など)、経営指標(作付様式、栽培技術、収量、価格、経営費、労働時間など)、自給条件(自給作物の種類、自家消費量)、農外活動(水汲み、薪取り、狩猟・採集、農外就労など)を入力情報とし、 アフリカ小農の (1) 食嗜好に応じた自給用作付面積の確保、(2) 干ばつや価格下落等のリスク対応策である混作や間作の反映、(3) 農外所得の確保、農業部門との労働配分に基づく所得最大化を条件として、線形計画法による計算を行い、農家所得全体を向上させる最適作付体系や技術導入規模を特定する(図1)。これにより、アフリカ小農の食生活、リスク分散経営、農外活動の必要性に応じた現実的な経営改善策が解明可能となる。
  2. 同モデルにより、アフリカ農業の地域性や規模に応じた最適作付体系の分析が可能である。モザンビーク国ナカラ回廊における分析例では、干ばつや農産物価格の下落が発生しやすいとされる東部ほど多品目の混作体系が優位となる。また、経営面積1ha以上の層で商品価値の高いラッカセイ、ダイズ、サツマイモなどの作付拡大が優位となる(表1)。
  3. 現状の土地生産性では、1ha未満の層で食料自給に困難が生じる。よって食料自給を条件とした場合、このモデルを用いて導かれた作付体系の最適化による所得増大効果が1ha以上の層で顕著に現れ、1ha以上2ha未満の層で東部24%、中部22%、西部13%、2ha以上の層では順に40%、54%、57%となる(図2)。
  4. 同モデルを簡単な操作で瞬時に実行できるプログラムBFMe(英語)およびBFMmz(ポルトガル語)を、BFM(大石 2008)をもとに開発し、提供している。これにより、現地の普及員などが、最適作付計画の立案などを容易に行うことができる。また、最適な技術導入規模の特定により、現地の普及組織が技術普及方針などを決定することができる。
成果の活用面・留意点
  1. 同モデルは、実測値の代替として作物収量予測モデルなど他のモデルと組み合わせることができる。また、耕畜連携などを目的とした経営計画や技術評価に活用することができる。
  2. BFMeとBFMmzはExcelで起動する。操作マニュアルとともにWebサイト上で入手できる。
  3. モザンビーク北部のサンプルデータが利用可能であり、さらに利用者の目的に応じて自由に修正・更新できる。また、他地域で収集されたデータを利用することも可能である。
オリジナルURL https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2018_b02
研究内容 https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2018_b02
カテゴリ 経営管理 栽培技術 大豆 らっかせい

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