| タイトル |
アフリカにおけるサバクトビバッタの時空間的分布パターン |
| 担当機関 |
(国研)国際農林水産業研究センター |
| 研究期間 |
2016~2020 |
| 研究担当者 |
前野 浩太郎
Ould Mohamed Sid'Ahmed
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| 発行年度 |
2018 |
| 要約 |
アフリカで大発生するサバクトビバッタの幼虫および成虫は、夜間は大型の植物上に群がり不活発になる。成虫は温度依存的に逃避行動を変化させ、低温時には不活発になり逃避能力が低下する。この行動特性を応用することで殺虫剤の使用量を軽減できる可能性がある。
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| キーワード |
生息場所選択, 発生予察, 時空間的分布, 気温
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| 背景・ねらい |
サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)は、普段は単独性の孤独相と呼ばれる状態で点在して生活しているが、生息密度が高まると群れで生活する群生相に相変異する。群生相化した集団は長距離移動し、アフリカで農作物に深刻な被害を及ぼしている。本バッタに対しては、殺虫剤の直接散布が主な防除技術として活用されている。不活発な時間帯をターゲットにすることで効率よく防除できると考えられるが、生息地において、どこでどのように活動しているかは詳しくわかっていないため、効率よく殺虫剤を散布できていないという問題がある。発生地であるモーリタニアにおいて、野外における群生相の幼虫と成虫それぞれの時空間的分布パターンを理解することにより、効率の良い殺虫剤の散布方法の開発が期待できる。
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| 成果の内容・特徴 |
- 幼虫は、日中は集団で移動しているが、日暮れ前にいくつかの集団に分かれ、一番大型の植物に最も多く群がり(図1、2)、移動せずに一夜を過ごす。
- 成虫は、日中は集団形成し、飛翔と摂食を繰り返しながら移動しているが、夜間は大型の植物上に群がる(図3)。
- 成虫は気温と留まっている植物のタイプに応じて観察者が成虫に接近した時の逃避行動を変化させる(図4)。高温時(23.4~26.5℃)には、大型の木本植物(> 2m)でも中型の草むら(< 1.5m)でも飛翔して逃げる。早朝の気温が低温時(7.9~14.0℃)には、留まっている植物が大型の木本植物の場合はその場に留まり、中型の草むらの場合は、地面に落下し、速やかに植物の中に逃げ込む。
- 以上より、幼虫と成虫は共に夜間は大型の植物に群がり、成虫の逃避行動は温度依存的で、低温時に逃避能力は低下する。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 現状では、殺虫剤の散布はバッタが広範囲に分布し、活発に動く日中に行われているが、バッタが大型の植物上で集団を形成し、不活発になる日暮れから明朝にかけて防除活動を行うことで殺虫剤の使用量を削減できる可能性がある。
- バッタのもつ、大型の植物に群がる習性は、人為的な誘引技術を開発する際に活用できる。
- 幼虫も温度依存的に逃避行動を変化させるかを調査する必要がある。
- この情報は木本植物が点在する植生地域で活用できる。
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| オリジナルURL |
https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2018_b07
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| 研究内容 |
https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2018_b07
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| カテゴリ |
病害虫
防除
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